雪中の梅 少年唱歌(二編)より |
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天のはて 地のきはみ 見渡すかぎり しろじろと 降りうづめたる けさの雪 庭に木立に 野の面(おも)に 白銀の花 咲きみちぬ やがて朝日の 照るまゝに 雪は消ゆれど 消え残る 賎が籬根(かきね)の 梅の花 物みなは 枯れはてて 春まつ頃を ほこりがに まづ花ひらく 梅の花 雪に氷に 木枯に おごれる姿 あなゆかし 思へ 寒苦に 耐へてこそ 梅も百花に 魁けて 清くも高く かをるなれ |
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( 2020.11.07 藤井宏行 )