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Look not in my eyes    
  A Shropshire Lad
ぼくの目を覗き込まないで  
     シュロップシャーの若者

詩: ハウスマン (Alfred Edward Housman,1859-1936) イングランド
    A Shropshire Lad 15 Look not in my eyes

曲: バターワース (George Sainton Kaye Butterworth,1885-1916) イギリス   歌詞言語: 英語


Look not in my eyes,for fear
They mirror true the sight I see,
And there you find your face too clear
And love it and be lost like me.
One the long nights through must lie
Spent in star-defeated sighs,
But why should you as well as I
Perish? Gaze not in my eyes.

A Grecian lad,as I hear tell,
One that many loved in vain,
Looked into a forest well
And never looked away again.
There,when the turf in springtime flowers,
With downward eye and gazes sad,
Stands amid the glancing showers
A jonquil,not a Grecian lad.

ぼくの目を覗き込まないで、決して
ぼくの見ている真実が映っているこの目を
この瞳にきれいに映っているきみ自身の顔を見たら
そいつに自分が恋をして ぼくのように我をなくしてしまうよ
長い夜に身を横たえ
ため息ばかりついているようになる
どうしてきみまでが ぼくみたいに
破滅を選ぶんだ? ぼくの目をみないで

あるギリシャの若者 有名な話だ
多くの娘たちがかなわぬ恋におちたという若者は
森の泉をのぞきこんだら
二度と目がそらせなくなった
ほら、春の花が芝生に咲き乱れるときに
うつむきがちの目で悲しげに見つめ
にわか雨の中に立ってるのは
黄水仙、もうギリシャの若者ではないんだ


詩集「シュロップシャーの若者」には様々なスタイルの詩がありますが、こんな感じの耽美的なものはちょっと異色なのではないでしょうか。もちろんこれはギリシャの神話、自分の美しさに見とれて動けなくなり、そのまま水仙へと身を変えたナルシスの話を下敷にしています。英語での水仙は普通daffodilで、ナルシス伝説に則ってnarcissusという学名をあてることもあるようですが、ここで出てくるjonquilはその中でも黄色い花の種類。もっとも黄色とはいっても非常に薄い色の(白に近い?)黄色のようです。ナルシスの伝説では彼は白い水仙に姿を変えたといいますので、厳密にはjonquilを使うべきではないのかも知れませんけれども、ギリシャ神話にも花のことにも私は詳しくありませんのでよくわかりませんでした。
この詩は「シュロプシャーの若者」第15番の詩です。

( 2007.04.28 藤井宏行 )


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