Det første mødes Op.21-1 Fire Dikt fra Fiskerjenten |
初めての出会い 漁師の娘からの4つの詩 |
Det første mødes sødme, det er som sang i skogen, det er som sang på vågan i solens sidste rødme, det er som horn i uren de tonende sekunder hvori vi med naturen forenes i et under. |
初めての出会いの心地よさは まるで森のうたみたい まるで波のうたみたい 沈む夕日の輝きの中で それはまるで丘の角笛みたい その幸せなひとときに わたしたち、この自然の中で ふたり ひとつになるのよ |
グリーグの連作歌曲集では、アーネ・ガルボリの詩につけた「山の娘 Haugtussa」Op.67が圧倒的に良く知られていますが、もう1曲似たような題材でビョルンスチェルネ・ビョルンソンの詩に付けた「漁師の娘からの4つの詩 Fire Dikt fra Fiskerjenten」op.21という作品があります。こちらは「山の娘」みたいに少女とその恋にスコープを当てた、というわけではなくて、ビヨルンソンの小説「漁師の娘 Fiskerjenten」の中にある詩を選んで曲を付けた、というもののようですが、それでもノルウェーの田舎の若者たちの素朴さが滲み出してきていてとても面白い聴きものです。4曲が4曲ともすべて全然曲想が違っているのもいいです。
小説の方もネットで見つけては見たのですが、ノルウェー語のものしかなかったのでどんな筋書きの物語なのかは良く分かりませんでした。150ページくらいの分量があるのでとても読めません。
4曲の中でもこの第1曲は一番取り上げられることも多いでしょうか。オーケストラ伴奏の編曲もありますので、けっこう交響楽団の定期演奏のプログラムに「ソルヴェイグの歌」などと一緒に乗ることがあります(このスタイルでは未聴ですがバーバラ・ボニーがネーメ・ヤルヴィ指揮エーテボリ管の伴奏で入れたものがあるようですね。もうすぐ再発されるようです)
4曲そろって素敵な歌唱は、Naxosにあるグリーグ歌曲集のアルネセンの歌。田舎のひなびた味わいはピアノ伴奏の方が良く出ているかも知れません。
( 2007.03.15 藤井宏行 )