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En prière    
 
祈り  
    

詩: ボルテーズ (Stéphan Bordèse,1847-1919) フランス
      

曲: フォーレ (Gabriel Fauré,1845-1924) フランス   歌詞言語: フランス語


Si la voix d'un enfant peut monter jusqu'à Vous,Ô mon Père,
Écoutez de Jésus,devant Vous à genoux,La prière!

Si Vous m'avez choisi pour enseigner vos lois Sur la terre,
Je saurai Vous servir,auguste Roi des rois,Ô Lumière!

Sur mes lèvres,Seigneur,mettez la vérité Salutaire,
Pour que celui qui doute,avec humilité Vous révère!

Ne m'abandonnez pas,donnez-moi la douceur Nécessaire,
Pour apaiser les maux,soulager la douleur,La misère!

Révèlez Vous à moi,Seigneur en qui je crois
Et j'espère: Pour Vous je veux souffrir
et mourir sur la croix,Au calvaire!

ひとりの御子の声があなたのところまで届くものならば、おおわが父よ
あなたの前のイエスの祈りをお聴き下さい。

あなたがこの世に教えを広めるために私を選ばれたのであれば、
私はあなたにお仕えします。王の中の王。おお光よ!

主よ、私の唇に世を救う真実をもたらして下さい
それを疑っている者たちが謙虚になってあなたを敬うように

私をお見捨てにならず、必要な良き心をお授け下さい
苦痛を和らげ、悪しきものに耐えられるその心を

私に御姿を現したまえ。私の信ずる主よ。
私はこう願っています。あなたのために苦しみを受け、
十字架にかかって果てたいと。あのカルヴァリオで。  

フランス歌曲開眼がフォーレの「月の光」(ヴェルレーヌ詩)だったせいか、今でもフォーレの中期(1890ころ)の作品には特別の思い入れがあります。
初期の甘く美しい作品(「夢のあとに」や「ネル」)、晩年の枯れた透明感(「幻影」など)もいいのですが、やはりこの頃の気品溢れる、それでいてメロディーも分かりやすい美しさを失っていない作品はなんとも言えず魅力的です。標記の作品は合唱曲としても歌われ、オルガンの伴奏などで聴くとそれはもう得もいわれない味わいなのですが、ピアノ伴奏の歌曲としても捨て難い味があります。「フォーレ」といえば「レクイエム」で止まらず、この曲や「ラシーヌの賛歌」なども是非味わってみたいものです。冒頭の淡々と語りかけるようなメロディーが、最後にタイトル通り「祈る」ように消え入っていくところは何度聴いても溜息がでます。
とはいえ、この曲、合唱曲としては何種類か聴いたことはあるのですが、独唱ではあまり録音はないように思います。合唱に絡めたボーイソプラノの独唱を別にすれば、私の聴いたのはC.モラーヌのバリトンとフォーレ歌曲全集にあるアメリンクのソプラノだけです。モラーヌの気品ある声はフォーレの中期作品にははまりすぎる位はまっていて、とくにこの曲は絶品ですし、アメリンクの透明な声もこういう清楚な作品ではボーイソプラノを思わせる味わいでなかなかです。

1998 (2003.9.20改訂)

( 2003.09.20 藤井宏行 )


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