Le pays des Rêves Op.39 Quatre mélodies |
夢の国 4つのメロディ |
Veux-tu qu'au beau pays des Rêves Nous allions la main dans la main? Plus loin que l'odeur des jasmins, Plus haut que la plainte des grèves, Veux-tu du beau pays des Rêves Tous les deux chercher le chemin? J'ai taillé dans l'azur les toiles Du vaisseau qui nous portera, Et doucement nous conduira Jusqu'au verger d'or des étoiles. J'ai taillé dans l'azur les toiles Du vaisseau qui nous conduira. Mais combien la terre est lointaine Que poursuivent ses blancs sillons! Au caprice des papillons Demandons la route incertaine: Ah! combien la terre est lointaine Où fleurissent nos visions! Vois-tu: le beau pays des Rêves Est trop haut pour les pas humains. Respirons à deux les jasmins, Et chantons encor sur les grèves. Vois-tu: du beau pays des Rêves L'amour seul en sait les chemins. |
きみは望むかい、美しき夢の国に 一緒に手を取って行くことを? ジャスミンの香る土地を越え 嘆きの浜辺よりももっと遠くへ きみは望むかい、美しき夢の国に ふたりで行く道を探すことを? ぼくは青い空に帆を上げた ぼくらを運んでくれる船の帆を 船は静かに運んでくれるだろう 星の輝きの花畑へと ぼくは青い空に帆を上げた ぼくらを運んでくれる船の帆を でもその地は何て遠いんだ 船の白い航跡が捜す陸地は! 気まぐれに飛ぶ蝶々たちに わからない航路をたずねよう ああその地は何て遠いんだ 船の白い航跡が捜す陸地は! わかるよね、きみ 美しき夢の国は 人の足では行けないくらい遠い だから一緒にジャスミンの花の香りを味わい そして浜辺で一緒に歌おうよ わかるよね、きみ、美しき夢の国は 愛だけがそこへいく道を知っているんだ |
フォーレのこのあたりの歌曲の詩はシルヴェストルが続きます。フォーレの作品リストを見ると、Op.18〜39にかけての歌曲が全部で15曲ある中で、このシルヴェストルの詩による歌曲は何と9曲もあります。この「夢の国」Op.39-3はその中でも一番最後の作品になり、このあとフォーレはシルヴェストルの詩からはしばらく離れて、次に取り上げるのは後期に入ってから、Op.87の「とっても素敵な道 Le plus doux chemin」まで期間が開いてしまっています。
この歌、詩はけっこういいなあと思ったのですが、残念ながらあまりフォーレの曲が魅力的ではありませんでした。ヴェニスの舟歌がたゆたうような伴奏の響きはなかなかいい感じですし、彼らしいハーモニーの展開もなかなか美しいのですがメロディの自己主張が弱いのです。「愛の唄」や「歌う妖精」、「朝焼け」に「イスファハンのバラ」といった個性的な歌が続くこの時期の作品群にあってこのメロディではあまりにも印象が薄くなってしまうのは仕方のないところでしょう。
というわけで私もEMIの歌曲全集でのアメリンクくらいしかまともに聴けてはいないのですが、ああいう声で美しくささやかれるとけっこう悪くないな、とは思うのですけれど。
( 2007.02.17 藤井宏行 )