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Min Tanke er et mægtigt Fjeld   Op.5-4  
  Hjertets Melodier
ぼくの思いは高い峰のように  
     心のメロディ

詩: アンデルセン (Hans Christian Andersen,1805-1875) デンマーク
    Phantasier og Skizzer - Hjertets Melodier 2 Min Tanke er et mægtigt Fjeld

曲: グリーグ (Edvard Grieg,1843-1907) ノルウェー   歌詞言語: デンマーク語


Min Tanke er et mægtigt Fjeld,
Der over Himlene går;
Mit Hjerte er et Hav så dybt,
Hvor Bølge mod Bølge slår.

Og Fjeldet løfter dit Billed
Højt mod Himlens Blå.
Men selv Du lever i Hjertet,
Hvor dybe Brændinger gå.


ぼくの思いは高い峰のように
天にまで届いている
ぼくの心は深い海のように
波また波でさざめいている

そして山はきみの姿を掲げるのだ
この青い空の上に
だけどきみは生きている ぼくの心の中に
深く波がさざめくところに


これもグリーグの「詩人の恋」とも言えるOp.5の「心のメロディ」から第4曲です。
ただ圧倒的なポピュラリティを誇る第3曲「君を愛す」に比べるとそのポピュラリティの差はものすごく、歌曲全集のようなものでもなければこの曲と第2曲の「あなたは知らない 永遠に動く海の波を Du fatter ej B?lgernes evige Gang」はまず聴くことができないのではないかと思います。まあ確かにまだグリーグの個性があまり出ていなくて普通のドイツリートみたいですし、おまけに旋律的な魅力もちょっと劣る、となれば取り上げられないのも仕方ないかな、と思います。しかもあの圧倒的なインパクトの「君を愛す」のあとの第4曲ともなればそのハンデは相当大きなものがあります。

しかしながらグリーグがアンデルセンのどんな詩を選んで婚約者のニーナのために曲を書いたのか、ということを知るためには、やはりこの曲にも目を向けてみる価値はあるでしょう。アンデルセンの詩は邦訳もあまりない上に、北欧の歌曲によく取り上げられていてもCDや楽譜に英語の対訳すらない、という状況があったりするのでこれを機会に訳してみました。頼りにする邦訳も英訳も手元にありませんでしたので相当珍妙な訳をしている恐れもありますがご参考までにUPします。アンデルセンの詩の中ではこれは2番目、グリーグの曲の中でも第1番目だったTo brune Øjneの次の詩に当たります。短調で叩きつけるような激しい熱情がこの曲の特徴。穏やかな愛の喜びを歌う第1・3曲と、この曲や第2曲のように激しい想いをぶつけるものとのコントラストがこの歌曲集では興味深いです。

4曲全部揃って私が聴けたのはデンマークのDanacordレーベルにあるテノールのセヴェリンの歌。シューマンの「詩人の恋」と同じようにこの歌曲集、爽やかな男声に合っているかも知れません。
BISにある歌曲全集では女声で歌われています(モニカ・グルーブ)がこれは未聴。
あとは興味深いところで、ドイツ語による歌唱のようですがフィッシャー=ディースカウのもの(EMI)があります。彼の歌はクドすぎてグリーグの歌曲では雰囲気ブチ壊しになることが多いので私はあまり好まないのですが、この曲みたいに激しい歌ではけっこうハマっていて楽しい聴きものではありました。

( 2007.02.16 藤井宏行 )


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