Scherzo - The Waves A Sea Symphony |
スケルツォ−波たち 海の交響曲 |
After the sea-ship,after the whistling winds, After the white-gray sails taut to their spars and ropes, Below,a myriad myriad waves hastening,lifting up their necks, Tending in ceaseless flow toward the track of the ship, Waves of the ocean bubbling and gurgling,blithely prying, Waves,undulating waves,liquid,uneven,emulous waves, Toward that whirling current,laughing and buoyant,with curves, Where the great vessel sailing and tacking displaced the surface, Larger and smaller waves in the spread of the ocean yearnfully flowing, The wake of the sea-ship after she passes,flashing and frolicsome under the sun, A motley procession with many a fleck of foam and many fragments, Following the stately and rapid ship,in the wake following. |
海の船の後を 唸り行く風の後を 灰白色の帆がしっかり桁と綱に張られているものの後を行く その下では 無数の無数の波たちが急ぎ行く その首をもたげながら 絶え間ない流れとなって行く 船の航路に向かって 大海の波たちは泡立ち 唸り 楽しげに覗き込む 波たち うねる波たち 流れゆき 乱れ 競い合う波たち その渦巻く流れに向かって 笑い 浮かび うねりと共に あの大きな船が帆走し 航跡が水面を凹ましたところへと より大きい より小さい波たちが大海の広がりの中 焦がれつつ流れ来て 海の船の通り過ぎた後の航跡はきらめき騒ぐ 太陽の下で たくさんの泡の斑点や破片の多様な行列が 追いかけて行く 堂々と急ぎ行くその船を その航跡を追って行く |
第1楽章冒頭と同じファンファーレで始まったあと、コーラスが軽快に海を行き交う船たちを描写します。原詩は前のふたつと同じ.Sea-Driftより。そのセクションの一番最後の11番目の詩をほぼそのまま持って来て曲をつけています。原詩に付けられたタイトルはこの詩の冒頭のAfter the sea-shipですが、作曲者は別のタイトルとしていて、これはこれでここで演奏される音楽の見事な紹介となっているように思います。
( 2020.07.20 藤井宏行 )