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Fleur Jetée   Op.39  
  Quatre mélodies
捨てられた花  
     4つのメロディ

詩: シルヴェストル,アルマン (Paul-Armand Silvestre,1837-1901) フランス
    Le Pays de Roses - Vers pour être chantés  Fleur Jetée

曲: フォーレ (Gabriel Fauré,1845-1924) フランス   歌詞言語: フランス語


Emporte ma folie
Au gré du vent,
Fleur en chantant cueillie
Et jetée en rêvant,
Emporte ma folie
Au gré du vent:

Comme la fleur fauchée
Périt l'amour:
La main qui t'a touchée
Fuit ma main sans retour.
Comme la fleur fauchée
Périt l'amour.

Que le vent qui te sèche
O pauvre fleur,
Tout à l'heure si fraîche
Et demain sans couleur,
Que le vent qui te sèche,
Sèche mon coeur!

私の怒りを運んで行け
気まぐれな風に乗せて
歌っていた花は摘み取られ
そして夢見ているうちに棄てられた
私の怒りを運んで行け
気まぐれな風に乗せて

花が摘み取られるように
愛も枯れてしまうのだ
かつてあなたを触れた手は
二度とは私の手には戻らない
花が摘み取られるように
愛も枯れてしまうのだ

なんて風だ、あなたをしおれさせて
おお気の毒な花よ
今はみずみずしくても
明日には色あせてしまうだろう
なんて風だ、あなたをしおれさせて
私の心も枯らしてしまえ!


フォーレでは非常に珍しい、怒りを爆発させた激しい曲です。もう一曲「ある一日の曲」にも作曲者の個人的な事情も絡んでいそうな激しい「永遠に」がありますけれども、こちらはもう少し客観的な怒り。怒っているのは捨てられた花の当事者ではなくて、彼女に心から同情しているだれか別の人でしょう。その点では同じ怒りでもやや冷静です。
こういうのはやっぱりジェラール・スゼーの歌がいいのでしょうね。EMIの歌曲全集ではエリー・アメリンクが歌っていますが、もう少し古いフィリップス盤でスゼーのバリトンで歌われるこの歌を聴くことができます。

( 2007.01.20 藤井宏行 )


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