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Eternity    
  Ten Blake Songs
永遠なるもの  
     10のブレイク歌曲

詩: ブレイク (William Blake,1757-1827) イギリス
    Notebook  Several Questions Answered

曲: ヴォーン=ウィリアムズ (Ralph Vaughan Williams,1872-1958) イギリス   歌詞言語: 英語


He who binds himself a Joy
Doth the winged life destroy;
But he who kisses the Joy as it flies
Lives in Eternity's sunrise.

The look of love alarms,
Because it's fill'd with fire;
But the look of soft deceit
Shall win the lover's hire.

喜びにしがみつこうとする者は
この豊かな人生を台無しにする
だが、気ままに飛びまわる喜びにくちづけする者は
永遠の日の出の中を生きるのだ

愛らしい姿は警告である
なぜならその中には炎が満ちているから
だがその優しげな偽りの姿で
恋する者の心を勝ち取るのだ


ヴォーン=ウイリアムスのこの歌曲集の中で、これだけは「無垢と経験の歌」が出典ではないようです。結局邦訳を見つけることはできませんでしたが、何となくこんな意味なんだろうなと思いながら訳しています。
題名がSeveral Questions Answered(いくつかの答えられた疑問)とある詩はネットで拾ってみるともう少し長くて、こんな節もありますからまさに男女の間の恋のことを描写しているのでしょうか。

 男たちが女性に求めているものは何?
 満たされた欲求の顔立ち
 女たちが男性に求めているものは何?
 満たされた欲求の顔立ち

 What is it men in women do require?
 The lineaments of Gratified Desire.
 What is it women do in men require?
 The lineaments of Gratified Desire.


そしてこんな痛切な一節もありました。

 優しげな偽りと怠惰
 それこそが美しき人の最高にかわいいドレス

 Soft Deceit & Idleness,
 These are Beauty's sweetest dress.


うーん、「人間見かけじゃないよ心だよ」というようなことを言っているようにも読めますが何かもっと深い意味がありそうです。人間のドレスがどうこういう表現はこの10のブレイク歌曲の最後3曲で各様に描写されていて、「真っ赤に溶けた鉄(怒りの描写?)」であったり「平和(平安)」であったりするわけですが、私は実感としてはこのSoft Deceit & Idlenessっていうのが一番実感としてピンと来ました。だからなんなんだという話ではありますけれども...

ヘヴィな詩の曲が2曲続いたあとに、意味深長であるとはいえこんなのがさらりと来てこの歌曲集を終えるところに、作曲者のセンスの良さを感じます。もっともこの曲も重たいオーボエの伴奏とともにそんなに聴きやすい曲ではないのですが。
メロディで聴かせる歌曲集ではないので今まで私もあまり聴き込むことなく過ごしてきたのですが、こうやって詩をじっくりと紐解きながら聴くと本当に面白い作品でした。
こういうものをきちんと取り上げることこそこのサイトで一番値打ちがあることだと思って頂けたらいいのですが。
もっとも私の書いた文章では全然きちんと取り上げたとは言えないのでしょうけれども...

( 2006.12.14 藤井宏行 )


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