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Hulanka   Op.74-4  
  17 Chant Polonais
酒盛り  
     17のポーランドの歌

詩: ヴィトヴィツキ (Stefan Witwicki,1801-1847) ポーランド
      Hulanka

曲: ショパン (Fryderyk Franciszek Chopin,1810-1849) ポーランド   歌詞言語: ポーランド語


Szynkareczko,szfareczko,
Bój się Boga,stój!
Tam się śmiejesz,tu miód lejesz
Wprost na kaftan mój!

Nie daruję,wycałuję,
Jakie oczko,brew!
Jaka biała szyjka cała...
Hej,spali mnie krew!

Cóż tak,bracie,wciąż dumacie?
Bierz tam smutki czart!
Pełni nędzy,ot,pij prędzej,
Świat ten diabła wart!

Pijane nogi zbłądzą z drogi,
Cóż za wielki srom?
Krzykiem żony rozbudzony
Trafisz,gdzie twój dom.

Pij,lub kijem cię pobiję...
Biegnij dziewczę w czas!
By pogodzić,nie zaszkodzić,
Oblej miodem nas!

嬢ちゃん、嬢ちゃん、
気ィつけなあかん!
あんた、ケラケラ笑ってるけどなあ
酒、わいの上着にこぼしてるんやで!

責任とって、キスしてや!
あんたの眼もなあ、眉毛もなあ!
その脚も、白い歯も
わいの血をむらむらさせるんや!

オウそこの兄ちゃん何暗い顔してんのや?
そんなシケた顔誰かにやっちまいな!
ぐびっと行こうや、イジケとらんで
つらいことなんて気にしてたらアカン

ヘベレケになって帰り道がわからんようなってもなあ
何でそんなこと気にせんとアカンのや?
かあちゃんに怒鳴られりゃ目が覚めて
家まで帰るのは簡単やでえ

飲めや、飲まんと一発ゲンコ食らわすで!
ねえちゃん、はよ酒持って来い
仲直りの印や これで堪忍な
さあ注いでや わいらに酒をな!


この曲、英語でも日本語でも定訳がないみたいで、英語訳でもDrinking SongになっていたりMerrymakingになっていたりまちまちですし、日本語でも「酒飲みの歌」だったり「遊び」だったりいろいろです。ポーランド語のHulankaは直訳すると大掛かりな酒宴のことだそうですので、ここはひとつ「酒池肉林」とでもタイトルを付けてみようかとも思ったのですが、それではショパンのファンの方から石が飛んできそうですので、無難なところで「酒盛り」としています。まあタイトルはともかく詩を読んでみての印象はこの人、限りなく関西人のノリのように思えるのでここではあえて大阪弁で喋らせてみました。ただ残念ながら私は大人になるまで大阪に足を踏み入れたことがなく、その後もほとんど行った機会もないことから関西弁はほとんど喋ることができません。それで相当に言い回しは不自然であることはお許しください。「こんな言い方せえへんで」とどなたか方言指導をして頂けると助かります。何かいろいろなところの訛りがこの訳詩には紛れ込んでいそうですので。
さてショパンのこの歌、ドイツ語バージョンもあるようですが、ここでは頑張ってもとのポーランド語から訳してみました。
おかげで半分くらいしか原詩の意味が取れず、また参考にしたいくつかの英訳は全く原詩と対応が取れていなさそうだったので(それにあまり不自然な翻訳調の喋りをさせるとこの詩の味が死んでしまうので)、相当意訳していることをご了承ください。

作詩のヴィトヴィツキはショパンの友人で、ふたりともパリにいたときに親しく付き合っていたようです。彼の詩にショパンはたくさんの歌曲を付けており、有名な「乙女の願い」をはじめとして、残っている歌曲19曲のうち10曲が彼の詩によるものなのだそうです。あまり深みのある詩ではありませんが、テーマの選び方や、何よりこんな日常描写がなかなかすばらしく、ショパンの素朴な歌曲のメロディには非常にしっくり来ているのではないかと思います。

ピアノのメロディも楽しげにはじける軽快なマズルカのメロディにのせて歌われるこの歌は、今の時期のような忘年会の乱痴気騒ぎというよりは真夏のビアガーデンでワイワイ盛り上がっているイメージです。最近Heliosレーベルで廉価で再発されたUrszula KrygerのソプラノにCharles Spencerのピアノ伴奏の録音がたぶん今一番入手しやすく聴き応えがあるでしょう。ショパンのマズルカに詩をつけて歌っているヴィアルド=ガルシアの作品も5曲ほど併録されているのも嬉しいCDです。快速でぶっとばす歌に付けた、伴奏のピアノの切れ味がとりわけすばらしいです。

( 2006.12.14 藤井宏行 )


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