Deh! bella e cara e sí soave un tempo Madrigali,libro quinto |
ああ!美しく愛らしくとてもかつては優しかった人よ マドリガーレ集第5巻 |
Deh! bella e cara e sí soave un tempo cagion del viver mio,mentre a Dio piacque, volgi una volta,volgi quelle stelle amorose, come le vidi mai,cosí tranquille e piene di pietà,prima ch'i' moia, ché 'l morir mi sia dolce. E dritto è ben che,se mi fûro un tempo dolci segni di vita,or sien di morte que' begli occhi amorosi; e quel soave sguardo, che mi scorse ad amare, mi scorga anco a morire; e chi fu l'alba mia, del mio cadente dí l'espero or sia. |
ああ!美しく愛らしくとてもかつては優しかった人よ わが生きる理由よ 神がそのことを喜ばれていた間は 向けておくれ 一度だけ 向けておくれ その愛らしい星の瞳を かつて私が見てきたように とても穏やかに そして慈悲に満ちて 私が死ぬ前に それで死にゆくことが私にとって甘美なものとなるだろう そしてそれは正しいことだ 私にとってはかつて 甘美な生きる証だったのだから 今度は死の印となってくれ その美しい愛の瞳よ そしてその甘いまなざしは 私を愛に導いてくれたように 私が死ぬのを見届けてくれ そしてかつて私の夜明けであった人よ 私の滅び行く夕暮れの星になっておくれ |
( 2020.03.07 藤井宏行 )