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あいびき    
  日本の笛
 
    

詩: 北原白秋 (Kitahara Hakusyuu,1885-1942) 日本
    日本の笛 (1922)  あいびき

曲: 平井康三郎 (Hirai Kozaburo,1910-2002) 日本   歌詞言語: 日本語


あいびきしましょと
丘まで出たが

欅(けやき)ばかりが
さえざえと

遠くでカタコト 水車
近くでチイピイ 鵯(ひよ)のこえ

落葉ばかりが
はらはらと
風に落葉が
はらはらと



晩秋の情景が美しいこの詩、恋しい人と野原でデートしようと思ったんですが振られちゃったんでしょうかねえ。静けさの中で聞こえてくる音がとっても寂しいです。
この詩の舞台は小田原から足柄・富士の裾野あたりの情景なのだそうで、開けた田園地帯に雑木林がところどころ残り、のどかな風景が開けているところなのでしょう。ひとり寂しい前半はゆったりとしたメロディですが、水車が出てきた後半はリズミカルになります。後半の演歌調のメロディはちょっとベタ過ぎるような気もしないではないですけれども、やっぱり聞き惚れてしまいます。

( 2006.11.10 藤井宏行 )


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