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山の唄    
 
 
    

詩: 北原白秋 (Kitahara Hakusyuu,1885-1942) 日本
      

曲: 中山晋平 (Nakayama Shinpei,1887-1952) 日本   歌詞言語: 日本語


守れ権現 夜明けよ霧よ
山は命の 禊場所
行けよ荒くれ どんどと登れ
夏は男の度胸だめし

何を奥山 道こそなけれ
水も流るる 鳥も啼く
馬子は追分 山樵(きこり)は木遣り
朝は裾野の放し駒

風よ吹け吹け 笠吹き飛ばせ
笠は紅緒の 荒結び
雨よ降れ降れ ざんざとかかれ
肩の着ござも伊達じゃない

山は百萬石 木萱の波よ
木萱越ゆれば お花畑
雪の御殿に 氷の巌窟(いわや)
滝は千丈の逆落とし

さあさ火を焚け ごろりとままよ
木の根枕に 嶺の月
夢にゃ鈴蘭 谷間の小百合
酒の肴にや山鯨

守れ権現 鎮まれ山よ
山は男の 禊場所
雲か空かと 眺めた山も
今じゃわしらが眠り床



大正初めに創設された慶応山岳会が、気鋭の作詞家・作曲家に委嘱して書いてもらった会の歌だそうです。四家文子が吹き込んだ録音を国会図書館のディジタルアーカイブで聴くことができました。

( 2019.12.22 藤井宏行 )


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