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	みそかの晩とついたちは		 				  歩行について 第三〜虹色の歌  | 									
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みそかの晩とついたちは 砂漠に黒い月が立つ 西と南の風の夜は 月は冬でもまっ赤だよ 雁が高みを飛ぶときは 敵が遠くへ遁げるのだ 追はうと馬にまたがれば にはかに雪がどしゃぶりだ 雪の降る日はひるまでも そらはいちめんまっくらで わづかに雁の行くみちが ぼんやり白く見えるのだ 砂がこごえて飛んできて 枯れたよもぎをひっこぬく 抜けたよもぎは次次と 都の方へ飛んで行く  | 																
    																
																
																
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( 2019.11.23 藤井宏行 )