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風のなかに巣をくふ小鳥  ――十月の恋人に捧ぐ――    
  二つの恋の詩
 
    

詩: 大手拓次 (Oote Takuji,1887-1934) 日本
    藍色の蟇  

曲: 溝上日出夫 (Mizokami Hideo,1936-2002) 日本   歌詞言語: 日本語


あなたをはじめてみたときに、
わたしはそよ風にふかれたやうになりました。
ふたたび みたび あなたをみたときに、
わたしは花のつぶてをなげられたやうに
たのしさにほほゑまずにはゐられませんでした。
あなたにあひ、あなたにわかれ、
おなじ日のいくにちもつづくとき、
わたしはかなしみにしづむやうになりました。
まことにはかなきものはゆくへさだめぬものおもひ、
風のなかに巣をくふ小鳥、
はてしなく鳴きつづけ鳴きつづけ、
いづこともなくながれゆくこひごころ。



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   二つの恋の詩 

( 2006.10.08 藤井宏行 )


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