風のなかに巣をくふ小鳥 ――十月の恋人に捧ぐ―― 二つの恋の詩 |
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あなたをはじめてみたときに、 わたしはそよ風にふかれたやうになりました。 ふたたび みたび あなたをみたときに、 わたしは花のつぶてをなげられたやうに たのしさにほほゑまずにはゐられませんでした。 あなたにあひ、あなたにわかれ、 おなじ日のいくにちもつづくとき、 わたしはかなしみにしづむやうになりました。 まことにはかなきものはゆくへさだめぬものおもひ、 風のなかに巣をくふ小鳥、 はてしなく鳴きつづけ鳴きつづけ、 いづこともなくながれゆくこひごころ。 |
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二つの恋の詩
( 2006.10.08 藤井宏行 )