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皇太子さまお生れなつた    
 
 
    

詩: 北原白秋 (Kitahara Hakusyuu,1885-1942) 日本
      皇太子さまお生れなつた

曲: 中山晋平 (Nakayama Shinpei,1887-1952) 日本   歌詞言語: 日本語


日の出だ 日の出に
鳴つた 鳴つた ポーオ ポーオ
サイレンサイレン ランラン チンゴン
夜明けの鐘まで
天皇陛下お喜び
皆々かしは手 うれしいな母さん
皇太子さま お生れなつた

日の出だ 日の出に
鳴つた 鳴つた ポーオ ポーオ
サイレンサイレン ランラン チンゴン
夜明けの鐘まで
皇后陛下御大事に
皆々涙で 有難うお日さま
皇太子さま お生れなつた

日の出だ 日の出に
鳴つた 鳴つた ポーオ ポーオ
サイレン サイレン ランラン チンゴン
夜明けの鐘まで
日本中が大喜び
皆々子供が うれしいな有難う
皇太子さま お生れなつた



まだ皇太子さまってわけではないですが、秋篠宮さまに先日ご長男がお生まれになられました。皇室の継承問題のどたばたな議論はそれでもまだこれからもメディアやら何やらで続くことでしょうが、私は他の子供たちと同様、新しい命が幸せに育ってくれればいい(大きくなって「皇室なんかやめてやる」ってことに本人がなってもそれはそれでよい)と思います。今のままでは日本で唯一人、将来自分で何になるかを決めることを許されない気の毒な男の子になってしまうのかも知れないのですから...

さて、遡って昭和8年(1933年)12月23日、女の子が4人続けて生まれていたためにちょうどここ1〜2年の騒ぎと同じように皇統の維持問題で騒がれていた昭和天皇に待望の男の子が誕生しました。今の天皇陛下その人です。その日の朝、東京では本当に1時間近くサイレンが鳴り渡り、市民たちに皇子の誕生を知らせたといいます。秋篠宮ご子息の誕生のフィーバーもこれからなのでしょうが、この昭和の皇太子誕生もいろいろなフィーバーを生んだようです(調べたら「萬歳音頭」なんていうのもありました。作詞:佐伯孝夫・作曲:中山晋平)。
その中でも非常に良く歌われ、歴史にも残ったのがこの作詞:北原白秋・作曲:中山晋平の黄金コンビの作ったこの曲、歌の中にもこのサイレンの音が織り込まれていますね。レコードは3人の少女歌手によって吹き込まれたものが翌昭和9年の1月に発売されています。
まあ特別な行事のためのインシデンタルミュージックですからそんなに詩や曲が素晴らしい、ってほど印象的でもないのですが(出来のあまり良くない「しゃぼんだま とんだ」みたいな曲です)、歴史のひとこまとしてちょっと記憶の片隅に留めておくのも良いかな、と思いました。
藍川由美さんの録音した中山晋平歌曲集にはこの曲が収録されています。いつもながらの丁寧な歌唱でこの曲を含め、不思議な中山晋平ワールドを再現してくれています。

( 2006.09.07 藤井宏行 )


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