Elegia:Ja pomnju |
エレジー:「私は覚えている」 |
Ja pomnju,gluboko,gluboko moj vzor, Kak luch,pronikal i roshchi,i bor, I step’ obnimal on shiroko,shiroko! Step’ obnimal on shiroko,shiroko! Te zorkie ochi,potukhli vy! Potukhli vy! Ja vygljadel vas na devu ljubvi, Ja vyplakal vas v bessonnye nochi! Ja vygljadel vas na devu ljubvi. |
私は覚えてる、深く、深く、私の眼差しが 光のように突き刺さったことを、この木立を森を そしてこの草原を抱きしめたことを、広く、広く この草原を抱きしめたことを、広く、広く そんな繊細な眼差しも今や色あせた!、色あせたのだ! 私はあなたを見つめるだけだ、愛らしき乙女よ 私はあなたを思って泣く、この眠れぬ夜を! 私はあなたを見つめるだけだ、愛らしき乙女よ |
ダルゴムイシスキーの歌曲の中では比較的知られた方の作品でしょうか。私の手持ちのロシア歌曲集アンソロジーの中でも、Hyperionレーベルにあるバリトンのサヴェンコの歌ったものの中に収録されていました。
で、このCDの英訳も参照しながら訳詩を練ってはみたのですが、乙女への愛を歌ったもののようでもあり、はたまた自然への愛着を歌ったもののようでもあり、どちらともはっきり取れないのにちょっと困惑してしまいました。詩人のデニス・ダヴィドフ(1784-1839)は軍人にして詩人、軽騎兵(Hussar)として名を上げた人のようで戦争に関わる詩の方がよく知られているようです。無骨な軍人の少女への愛、というやつはこんな風に遠まわしになるのかな、なんてことも思います。が実際のところはよくわかりませんでした。
音楽的には微妙な転調を繰り返し、ダルゴムイシスキーの作品としてはかなり技巧的です。
なんとなく捉えどころがないようにも思えたのですが不思議な曲です。
( 2006.08.26 藤井宏行 )