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Junosha i Deva    
 
若者と乙女  
    

詩: プーシキン (Aleksandr Sergeyevich Pushkin,1799-1837) ロシア
      Юношу,горько рыдая (1834-5)

曲: ダルゴムイシスキー (Alexander Sergeyevich Dargomyzhsky,1813-1869) ロシア   歌詞言語: ロシア語


Junoshu,gor’ko rydaja,
Revnivaja deva branila.
K nej na plecho preklonen,
Junosha vdrug zadremal,
Junosha vdrug zadremal.

Deva v totchas umolkla,
Son ego legkij leleja,
I ulybalas’ emu,
Tikhie slezy lija,
I ulybalas’ emu,
Tikhie slezy lija,
Tikhie slezy lija.

若者を、激しくすすり泣きながら
嫉妬にかられた乙女がなじっていた
彼女の腕にもたれながら
若者はとつぜんまどろんだ
若者はとつぜんまどろんだ

乙女はすぐに泣くのをやめ
彼の浅い眠りを見つめた
そして彼に微笑みかけた
静かな涙を流しながら
そして彼に微笑みかけた
静かな涙を流しながら
静かな涙を流しながら


ショスタコーヴィチの「プーシキンの詩による4つのロマンス」の第2曲目に使われているのが割と知られていて、ネットで検索してみてもこちらの方ばかり引っかかってきましたが、このダルゴムイシスキーの作った歌曲もなかなか素敵です。音だけ聴いていると素朴なロシア民謡のような作品ですが、それがまたイイ味わいを醸し出してくれています。詩は実際は繰り返しがないのでたいへん短いですが、ダルゴムイシスキーは何箇所か繰り返しを入れて実際の民謡のようなスタイルにしています。
そういうわけでショスタコーヴィチのと異なり抒情的な味わいが身上のせいか女声でよく歌われるようです。私が聴くことができて印象に残っているのはヴィシネフスカヤの歌ったもの(Erato)、ダルゴムイシスキーの抒情的な歌曲をたくさん集めてくれていてとても素晴らしいのですが今は入手困難でしょうか。ムソルグスキーやボロディン・グリンカの歌曲もロストロポーヴィチの見事なピアノ伴奏と共にたくさん収録されていてたいへん貴重なアルバムですので、今年EMIやDGが彼女の80歳を記念して彼女の過去の名唱を復刻しているようにこのアルバムも入手できるようになると良いのですが...

( 2006.08.14 藤井宏行 )


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