Traun! Bogen und Pfeil Op.33-2 Die schöne Magelone |
全くだ!弓と矢は 美しきマゲローネ |
Traun! Bogen und Pfeil Sind gut für den Feind, Hülflos alleweil Der Elende weint; Dem Edlen blüht Heil, Wo Sonne nur scheint, Die Felsen sind steil, Doch Glück ist sein Freund. |
全くだ!弓と矢は 敵に対して役に立つ なすすべがなければ いつの時も 哀れな者は泣くのみだからな 気高き者に栄光は花開く 太陽が常に輝くところ 岩山険しく聳えるとも 幸運はその友であるだろう |
吟遊詩人の歌を聴いたペーターは、自分の心のモヤモヤが若さゆえの冒険心にあることに気づき、両親に旅に出させてくれるよう懇願します。初めは強硬に反対していた二人ですが、ペーターの決意が固いのを知ってやがて折れ、母親はペーターに三つの指輪を与えて、「もしお前の心から愛する女性が現れたなら、この指輪を与えなさい」と言います。後の物語の展開に重要な役割を果たす小道具ですね。そしていよいよペーターの出発の日を迎えます。
そして続く第3章 「いかにして騎士ペーターは自らの両親のもとを去ったか(Wie der Ritter Peter von seinen Eltern zog)へと移ります。
両親との別れをしたペーターは馬にまたがり、たった一人で野辺を駆けます。太陽が昇り、あたりは朝露がきらめいています。
気持ちの昂るペーターには古い歌が心の中から湧いて来て、ひとり大きな声で歌いだすのでした。
豪快なピアノの伴奏に乗せて、短調ですが威勢の良いメロディ(前半部A)が歌われます。詩の後半部(B)はしっとりと歌われますがまた冒頭の威勢良さが帰ってきて、結局A-B-A-B-Aといった感じで繰り返されます。
( 2015.12.06 藤井宏行 )