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Dialog Gamleta s sovest’ju   Op.143-3  
  Shest’ stikhotvorenii Marini Tsvetaevoj
ハムレットと良心との対話  
     マリーナ・ツヴェターエワの詩による6つの歌曲

詩: ツヴェターエワ (Marina Ivanovna Tsvetaeva,1892-1941) ロシア
      Диалог Гамлета с совестью (1923)

曲: ショスタコーヴィチ (Dimitry Shostakovich,1906-1975) ロシア   歌詞言語: ロシア語


- Na dne ona,gde il
I vodorosli... Spat’ v nikh
Ushla,- no sna i tam net!

- No ja ee ljubil,
Kak sorok tysjach brat’ev
Ljubit’ ne mogut!
               - Gamlet!

Na dne ona,gde il:
Il!.. I poslednij venchik
Vsplyl na prirechnykh brevnakh...
- No ja ee ljubil,
Kak sorok tysjach...
               - Men’she
Vse zh,chem odin ljubovnik.
Na dne ona,gde il.
- No ja ee -
              ljubil?

-彼女は水底、泥と
水草がそこにある、彼女はそこで眠ろうと
やすらぎを求めるが、そこに眠りはない

-だが、私は彼女を愛していた
四万人の兄弟たちでも
そこまでは愛せないくらいに

-ハムレットよ
彼女は水底だぞ、泥の中
泥だぞ!そして最後の花の冠が
川辺の杭の上に浮かんできたのだ
-だが、私は彼女を愛していた
四万人もの-
          -ずっと少ないのだ
何であれ、ひとりの恋人よりも
彼女は水底、泥の中
-しかし私は彼女を
          彼女を愛していたのだろうか?


これは前2曲と比べるとずっと詩の時代は下って1923年の作。もう既に西に亡命している頃の作品です。題材は身を投げて死んでしまったハムレットの恋人、オフィーリアのことをハムレットが考えている情景です。自分が辛くあたりさえしなければ、彼女は発狂して自殺などしなかったかも知れない、という自問自答なんでしょう。愛する人の幸せよりも自分の復讐の方を大事にした結果がこのざま、本当にこれでよかったんだろうかと考え続けているうちにだんだん自分が分からなくなってきたというところでしょうか。ツヴェターエワもこのあたりの時期の詩はさすがに難解になってきて、ロシア語すらほとんど読めない私には解釈に苦しむところがいっぱい出てまいります。この歌曲集もこれからあとはそんな感じのが続き、CDなどの英訳を見てもさっぱり分からないものばかりです。とりあえず勢いで訳していますので意味不明なところはご容赦ください。
ショスタコーヴィチには劇音楽と映画音楽でそれぞれ「ハムレット」がひとつずつ、そして「アレクサンデル・ブロークの詩による7つの歌曲」でも冒頭にオフィーリアの歌があるなど、このシェイクスピアの「ハムレット」とはかなり関わりが深いところですが、ここでもたくさんあるツヴェターエワの詩の中からあえてこれを取り上げているのが興味深いです。
チェロの重々しい伴奏と掛け合いながらぽつり・ぽつりと語るかなり渋い音楽です。いつのまにか消え入るように終わり、次の強烈な曲「詩人と皇帝」に移ります。

( 2006.06.30 藤井宏行 )


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