TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ


Les papillons   Op.2-3  
  Sept melodies
蝶々たち  
     7つの歌

詩: ゴーティエ (Théophile Gautier,1811-1872) フランス
    La Comédie de la Mort  Les papillons (1837)

曲: ショーソン (Amédée-Ernest Chausson,1855-1899) フランス   歌詞言語: フランス語


Les papillons couleur de neige
Volent par essaims sur la mer;
Beaux papillons blaues,quand pourrai-je
Prendre le bleu chemin de l'air.

Savez-vous,ô belle des belles,
Ma bayadère aux yeux de jais,
S'ils me voulaient prêter leurs ailes,
Dites,savez-vous,où j'irais?

Sans prendre un seul baiser aux roses,
À travers vallons et forêts,
J'irais à vos lèvres micloses,
Fleur de mon âme,et j'y mourrais.

雪の色をした蝶々たちが
海の上を群れをなして飛ぶ
美しい白い蝶たちよ、私はいつ
空の青い道を見つけられるのだろう?

知っているかい、この世で一番美しい人よ
うるんだ黒い瞳の恋人よ
もし蝶たちがその羽を貸してくれるなら
ぼくがどこに行こうとするかを?

バラの花びらにくちづけひとつせずに
森や谷を越えて
ぼくはきみの半分閉じたくちびるを求めて飛んでいくのさ
ぼくの心に咲く花よ、ぼくはそこで死ぬのだから


蝶々たちが群れをなして飛んでいく様子がピアノの早いパッセージに描写されています。心の中で燃え立つ情熱は何となくシューマンの歌曲を思わせる歌のメロディに現れていて、これと伴奏のフランス音楽っぽさとの微妙なミスマッチ感がなんともいえず魅力的な曲です。実はあのドイツ歌曲の大御所フィッシャー-ディースカウが録音していて(Teldec)、この歌唱がそのミスマッチを最大限に引き出してとても面白い聴き物だったものですから取り上げてみたくなりました。
普通に素敵な演奏であればアメリンクのものを。軽やかなソプラノで聴くのがこの曲のオーソドックスな楽しみ方だと思いますので。

( 2006.05.28 藤井宏行 )


TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ