高田屋嘉兵衛 |
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氷にとざす えぞのはて ふゞきにくらき エトロフの 嶋に渡りて 土人らに すなどりの業 授けたり 百折たゆまぬ 丈夫の こゝろざし ほまれは広し オコツクの海よりも たまたま露艦に とらへられ ゐてゆかれたる カムサツカ ふゞきも雪も 忍べども 忍びがたきは はづかしめ 大喝一声 丈夫の いきどほり むけし かれらが 銃口も くるひけり 千辛万苦の かひありて シベリヤ とざす あつ氷 彼と我との 胸もとけ なみ風しづまる 北の海 暴威とたたかふ 丈夫の やまとだま いさをは今も 高田屋世にたかし |
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( 2019.04.27 藤井宏行 )