Otkuda takaja nezhnost’? Op.143-2 Shest’ stikhotvorenii Marini Tsvetaevoj |
どこからこんな優しい気持ちがくるの? マリーナ・ツヴェターエワの詩による6つの歌曲 |
Otkuda takaja nezhnost’? Ne pervye - eti kudri Razglazhivaju,i guby Znavala - temnej tvoikh. Vskhodili i gasli zvezdy (Otkuda takaja nezhnost’?), Vskhodili i gasli ochi U samykh moikh ochej. Eshche ne takie pesni JA slushala noch’ju temnoj (Otkuda takaja nezhnost’?) Na samoj grudi pevtsa. Otkuda takaja nezhnost’? I chto s neju delat’,otrok Lukavyj,pevets zakhozhij, S resnitsami - net dlinnej? |
どこからこんな優しい気持ちがくるの? 初めてじゃないのに-あなたのカールした髪を なでつけるのは、それにあなたのくちびる この黒いくちびるも初めてじゃないのに 星たちが輝き、そしてまた消えていく (どこからこんな優しい気持ちがくるの?) 瞳も輝き、そしてまた消えていく 私の瞳のすぐそばで 今までこんな素敵な歌を 私は夜の闇の中で聴いたことはない (どこからこんな優しい気持ちがくるの?) あなたの胸の中で どこからこんな優しい気持ちがくるの? 私はこの気持ちをどうすればいいの、 ずるい少年、異国から来た歌手よ 長い睫毛の、とても長い睫毛の |
マリーナ・ツヴェターエワの詩、こちらは1916年の作品です。既訳では「どこからこんなしとやかさが」となっているものが多いように思いますが、私が詩を読んでの印象はこの「しとやかさ」にあたるところのニュアンスは昔松田聖子が歌っていた「スイートメモリー」みたいな感じ。恋した時の胸を締め付けられるような甘く、そして苦い気持ちです。さんざん訳語を迷った末に「優しい気持ち」としましたがもっと良い言葉がありそう。恋愛経験豊富な方のアドバイスをお待ちします。女流詩人ツヴェターエワは男性女性問わない恋多き人だったようですが、そんな彼女の書いたこの詩、ずいぶんとなまめかしいです。そういった感じがこの邦訳ではいまいちうまく出ていないように思いますので...
ここで歌われているのは異国から来た若い歌手の男の子。一緒の夜を過ごし、そして眠りにつく。男の子の歌う歌声を子守唄にしてうっとりと。
ショスタコーヴィチの曲はそれほどとろけるような甘美さには溢れていないのですが、それでもこの恋する気持ちをうまく表してはいるでしょうか。ザレンバの太い声で聴くと経験豊富なおネエさまに抱かれるか細い少年といった感じでまた趣深いです。
( 2006.05.26 藤井宏行 )