Minnelied Op.71-5 Fünf Gesänge |
愛の歌 5つの歌 |
Holder klingt der Vogelsang, Wenn die Engelreine, Die mein junges Herz bezwang Wandelt durch die Haine. Röter blühen Tal und Au, Grüner wird der Wasen, Wo die Finger meiner Frau Maienblumen lasen. Ohne sie ist alles tot, Welk sind Blüt' und Kräuter; Und kein Frühlingsabendrot Dünkt mir schön und heiter. Traute,minnigliche Frau, Wollest nimmer fliehen; Daß mein Herz,gleich dieser Au, Mög' in Wonne blühen! |
いっそう心地よく鳥が歌を響かせるのは、 ぼくの若い心を乗っ取ってしまった 天使のように清らかなあの人が 林を歩き回る時。 谷や野の花々が赤みを増し、 芝の青さが濃くなるのは、 ぼくの彼女の指が 五月の花々を摘んだ場所。 彼女がいなければすべて死んだも同然、 草花は枯れはて 春の夕映えは もはやぼくにとって美しくもうれしくもない。 いとしい、愛する女(ひと)よ、 決して離れないでおくれ、 ぼくの心が、この野原のように、 歓びに花開くように! |
ハノーファー出身のHoeltyによるこの詩は、恋人の存在が鳥の鳴き声や草花の色までも変えてしまったという熱烈なラブソングだが、ブラームスは渋みあふれる素敵な曲に仕上げた。
各行が間断なく続いており、せきたてるような歌声部が、彼女のことで頭がいっぱいな主人公の心情をよくあらわしている。
シューベルト(D429)やメンデルスゾーン(Op.8-1)も同じ詩に作曲しているが、前者の素朴な愛らしさ、後者のコラールのような穏やかさに比べて、ブラームスの青臭いほどの真摯さがより大きな感動を与えてくれる。
ホッター(BSBR)ムーア(P) (EMI : 1956):歌、ピアノ共にとにかく素晴らしいの一言!
プライ(BR)ホカンソン(P) (DENON : 1985-86):円熟期のプライの一語一語に味があり、聴く者の心を温めてくれる。ホカンソンの暖かい音色と表現がこの曲にふさわしい。
( 2002.04.23 フランツ・ペーター )