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Cerisiers roses et Pommiers blancs    
 
バラ色のサクランボの木と白いリンゴの木  
    

詩: ラリュー (Jacques Larue,1906-1961) フランス
      

曲: ルイギ (Louiguy,1916-1991) フランス   歌詞言語: フランス語


詩:著作権のため掲載できません。ご了承ください
石蹴りをして遊んだ子供のころ
さくらんぼの木はバラ色、リンゴの木は白い花盛り
ぼくはあの子への愛で死ぬかと思った
あの子にキスをしたときに

(著作権のため、リフレイン部分のみ取り上げています)



春爛漫の花の下で仲良く遊ぶ男の子と女の子、ちょっとませたこのふたりのお話は、フランス版「おさななじみの思い出は 青いレモンの味がする」(by永六輔)ですが、さすがにこちらは大胆です。石蹴りなんかしていますからまだ10歳以下だと思うんですがその歳でキスをし、更に15で初体験、結婚をして子供がやがて生まれてくるところまでを微笑ましくもちょっと皮肉っぽく描いています。
ぼくの家のリンゴの木の小枝を、あの子の家のサクランボの木の小枝が風に揺られて愛撫しているように見えたから、ぼくたちもそれをしてみようよ、って男の子がやるお医者さんごっこのノリですが、小さくても男の発想っていうのはこんなものなんですかね。
ちょっとラテンっぽいリズムに乗せて軽やかに歌われるこの曲、私はシャンソンの中でもかなり好きなのですが、もっぱら人生をクラーく歌う歌が愛される日本のシャンソン界ではあまり愛されない曲なのでしょうか。シャンソンのCDなど漁っていてもあまり収録されているのを見たことがありません。昔持っていたイヴェット・ジローのLPでは彼女が日本語で歌っていましたから、かつては日本でもそれなりに紹介されていたのかも知れませんけれども。
作詞のジャック・ラリューはジョルジュ・オーリックが曲を付けた映画「ムーラン・ルージュ」の作詞として、また作曲のピエール・ルイギも映画音楽で活躍されていた人のようですが、最も名を残していると思われるのはエディット・ピアフの歌ったシャンソンの名曲「バラ色の人生」の作曲者としてのようです。今の季節にぴったりの音楽。機会があればぜひ耳にしてみてください。

( 2006.04.23 藤井宏行 )


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