さすらひの唄 劇「生ける屍」 |
|
行こか戻ろか オーロラの下を 露西亜は北国 はてしらず 西は夕焼 東は夜明 鐘が鳴ります 中空に 、 泣くにや明るし 急げば暗し 遠い燈も チラチラと とまれ幌馬車 やすめよ黒馬(あお)よ 明日の旅路が ないぢやなし 燃ゆる思を 荒野にさらし 馬は氷の上を踏む 人はつめたし わが身はいとし 街の酒場は まだ遠し わたしや水草 風ふくまゝに ながれながれて はてしらず 昼は旅たびして 夜は夜で踊り 末はいづくで果てるやら |
|
1917年 トルストイの戯曲「贖罪」を翻案した劇「生ける屍」の劇中歌として書かれたものです。
( 2019.01.21 藤井宏行 )