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Chanson d'amour   Op.27  
  Deux mélodies
愛の唄  
     2つのメロディ

詩: シルヴェストル,アルマン (Paul-Armand Silvestre,1837-1901) フランス
    Le Pays de Roses - Vers pour être chantés 5 Chanson d'amour

曲: フォーレ (Gabriel Fauré,1845-1924) フランス   歌詞言語: フランス語


J'aime tes yeux,j'aime ton front,
Ô ma rebelle,ô ma farouche,
J'aime tex yeux,j'aime ta bouche
Où mes baisers s'épuiseront.

J'aime ta voix,j'aime l'étrange
Grâce de tout ce que tu dis,
Ô ma rebelle,ô mon cher ange,
Mon enfer et mon paradis!

J'aime tout ce qui te fait belle,
De tes pieds jusqu'à tes cheveux,
Ô toi vres qui montent mes voeux,
Ô ma farouche,ô ma rebelle!

きみの瞳が、額が好き
ああ、冷たいひと、ひどいひと
きみの瞳が 口元が好き
思う限りにくちづけしたい

きみの声が、不思議なのが好き
語る言葉の優美さが好き
ああ、冷たいひと 愛しい天使
ぼくの地獄、ぼくの天国

きみをきれいにするすべてのものが好き
足の先から髪の毛まで
ああ ぼくの想いはすべてきみに向かっているのに
ああ、冷たいひと ひどいひと


最初の節のメロディがとても小粋で、まるでシャンソンの一節のよう(私には朝の連続テレビ小説のテーマソングのようにも聴こえます)なので、邦題でも「歌」ではなく「唄」の字を当てることが多いようです。
第2節目はフォーレっぽい転調をしてちょっとゲージュツ歌曲的な雰囲気になりますが、またすぐに第1節目の詩と曲が再現されます。そして第3節目がまた転調して最後にまた最初に戻る、という具合に、都合3回この小粋なメロディは繰り返されます。
詩は解説の必要がないくらい分かりやすい恋の歌ですね。

この洒落た感じをよく出してくれて素敵な演奏がソプラノのロス・アンヘレスのもの(EMI)、なんだかとっても可憐なドラマのヒロインを思わせます。あとは同じ作品27の「歌う妖精」と一緒に聴かせてくれるバーバラ・ボニー(BMG)やバーバラ・ヘンドリックス(EMI)などの録音が美しいです。EMIの全集ではアメリンクでなくバリトンのスゼーが歌っているのがちょっと残念。確かに男心の歌なんですがこの曲は女声向きの雰囲気のような気がするので...

面白いところでは、この曲の俗っぽさと洒落たところに惹かれたのか、日本でシャンソンやフレンチポップスをアバンギャルドにいろいろ料理して楽しませてくれる音楽家のコシミハルさんがオリジナルの日本語詞を付けて歌っているもの。こういうのを聴くから朝のTVドラマのイメージが頭に染み付いてしまうのかも知れませんなあ。でも素敵な歌とアレンジだと思います。

( 2006.03.21 藤井宏行 )


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