Pesnja devushki Op.79-10 Iz Jevrejskoj Narodnoj Po`ezii |
娘の歌 ユダヤの民族詩より |
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森の近くの牧場の上は いつも物思いにひたるにはうってつけ あたしたちは朝から晩まで世話をする コルホーズにいる牛たちの世話を あたしは丘の上に座っているわ あたしのそばには愛用の笛 いつまでたっても見飽きない あたしの故郷のこの景色 明るい木々の緑色 とても奇麗で、整っていて 畑に色づく小麦の穂は とっても素敵 ああ、ああ、ラ ラ ラ 小枝があたしに微笑み 穂先があたしにウインクする とっても大きな幸せが 心の中ではじけるの 歌って、あたしの大事な笛よ 一緒に歌うのは簡単よね 山も谷間も聴いてくれている あたしたちが楽しく歌っているのを 泣くのだけはだめ、笛よ 昔の悲しみは忘れるの お前の穏やかな調べを 遠くまで聞こえるように歌うのよ ああ、ああ、ラ ラ ラ このコルホーズであたしは幸せ このとおり、暮らしは満ち足りてる もっと陽気に、陽気に、笛よ お前は歌っておくれ |
再びユダヤのエキゾチックなメロディが戻ってきます。ソプラノによって歌われる第10曲も集団農場・コルホーズに暮らす幸せを歌いますが、これってやはりソヴィエト政府の政策に対する迎合のように見せかける作戦なのでしょうか?彼はいろんなところでこういう仕掛けを作っていますので深読み好きにはたまらない楽しみを与えてくれます。もっとも彼にとっては生命の危険とみずからの芸術的信念をぎりぎりのところで折り合いをつけていたわけですからあんまり軽い気持ちで聴いてはいけないのかも...
冒頭のユダヤのメロディは、中間部では一転して抒情的なロシアのロマンスになります。そしてまた最初の旋律が帰ってくるかと思うとまたロシアのメロディに、と2つの文化の間を揺れ動くのがなんとも不思議な曲です。
( 2006.03.01 藤井宏行 )