Pesnja o nuzhde Op.79-7 Iz Jevrejskoj Narodnoj Po`ezii |
貧乏についての歌 ユダヤの民族詩より |
詩:著作権のため掲載できません。ご了承ください
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屋根は屋根裏部屋の上で眠る わらの下で静かな眠りを 小さな揺りかごの中、赤ん坊が眠る オムツもつけず 素っ裸で眠る そら、そら、上だ! ヤギが屋根のわらをたべてるぞ そら、そら、上だ! ヤギが屋根のわらをたべてるぞ、ああ! 揺りかごは屋根裏部屋の中 蜘蛛がその中に不幸の巣を張る おれの幸せを吸い取って 貧乏だけを残してくれる おんどりも屋根裏部屋の中 きれいな真っ赤なとさかをしてる おい、おっかあよ、ガキどものために 干からびたパン切れを借りて来い |
「ユダヤの民族詩」続いては貧乏に関する歌が2曲続きます。
これも詩だけみるととても悲惨な歌です。がそこからにじみ出てくるユーモアに、ショスタコーヴィチも実に軽妙な、しかしじっくり聴くととても悲しい見事な音楽を付けています。こんな曲を聴くと彼がムソルグスキーの精神の継承者である、ということが本当によくわかります。テーマの選びかたでも、音楽のあり方にあっても。
リズミカルな、大変快速にユーモアあふれるピアノ伴奏の中、早口で貧乏暮らしをまくし立てるテナー、ヤギが屋根を食べちゃうところなんかとっても悲惨なのですが思わず笑ってしまいます。“Gop, gop, vyshe”(そら そら 上だ)の繰り返しが耳に残ります。最後は捨て鉢のようになってテンポもますます早くなり、絶叫するように終わります。がその次の曲がすぐに...
( 2006.02.25 藤井宏行 )