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Rivolgete a lui lo sguardo   K.584  
 
彼に向けてください そのまなざしを  
    

詩: ダ・ポンテ (Lorenzo Da Ponte,1749-1838) イタリア
      

曲: モーツァルト (Wolfgang Amadeus Mozart,1756-1791) オーストリア   歌詞言語: イタリア語


Rivolgete a lui lo sguardo
E vedrete come sta:
Tutto dice,io gelo,io ardo
Idol mio,pietà,pietà,
Io ardo,io gelo,io ardo
Idol mio,pietà,pietà,

E voi cara un sol momento
Il bel ciglio a me volgete
E nel mio ritroverete
Quel che il labbro dir non sa.
Un Orlando innamorato
Non è niente in mio confronte;
Un Medoro il sen piagato
Verso lui per nulla io conto:

Son di foco i miei sospiri
Son di bronzo i suoi desiri,
Se si parla poi di merto
Certo io sono e egli è certo
Che gli uguali non si trovano
Da Vienna al Canadà,

Siam due Credi per ricchezza,
Due Narcisi per bellezza
In amor i Marcantoni
Verso noi sarian buffoni
Siam più forti d'un ciclopo,
Letterati al par di Esopo.

Se balliamo un Pichne chede
Sì gentil e snello è il piede,
Se cantiam col trillo solo
Facciam torto all'usignuolo,
E qualch'altro capitale
Abbiam poi che alcun non sa.

Bella,bella,tengon sodo:
Se ne vanno ed io ne godo!
Eroine di costanza,
specchi son di fedeltà

彼に向けてください そのまなざしを
そうすればお分かりでしょう 彼がどんな具合なのかは
全身で言っていますよ ぼくは凍え ぼくは燃える
ぼくのアイドルよ お慈悲を お慈悲を
ぼくは燃える ぼくは凍え ぼくは燃える
ぼくのアイドルよ お慈悲を お慈悲を って

それからあなた いとしい人 一瞬でも
その美しい瞳を 私に向けてください
そうすれば私のうちにあなたは見つけるでしょう
この唇が語ることのできないものを
恋に落ちたあのオルランドも
私とは比べものになりません
あの胸が傷ついたメードロも
彼にとっては物の数ではありません

炎なのです 私の吐息は
青銅なのです 彼の願望は
もし誰かが語ったなら その価値を
私は確信しています 当然ながら
並ぶものなど見つかるはずはないと
ウィーンからカナダまで

クロイソス並みですし 金持ちであることにおいては
二人のナルシスです その美しさにあっては
愛にかけては マルクス・アントニウスですし
私たちに比べれば 皆 屁みたいなもの
剛力においてはサイクロプスよりも強く
知識にかけてはイソップに並びます

もしも踊るならば ピケも尻尾を巻くでしょう
それほどしなやかでスリムな足なのですから
もしも歌うのなら トリルだけで
ナイチンゲールも顔負けでしょう
それからその他の資産関係についても
誰も計り知れないものがあるんですよ

結構 結構 身持ちが堅いのも:
もし行ってしまって 私はそれを楽しみましょう!
貞節のヒロインたちよ
貞淑の鑑よ

オペラ「コジ・ファン・トゥッテ」K.588の第1幕 グリエルモが恋人の貞節を試すため、トルコ人に変装して友人フェルランドと共にフィオルディリージとドラベッラ姉妹の前に現れ、それぞれが互いの恋人に言い寄る場面で歌われるアリア。もともとはこの曲が充てられたようですが結局別のアリアに差し替えられて、この曲は単独のコンサートアリアとして残ったもののようです。
最終的に採用された曲の方の訳詞は「オペラ対訳プロジェクト」の方で行っておりますのでご興味おありの方はご覧ください。
https://www31.atwiki.jp/oper/pages/218.html (半ばあたりの第11場 No.15のアリアです)
詞もそうですが、差し替える前のこの曲はちょっと絢爛豪華で重い感じ。差し変わった有名なアリアの方が自然な流れでメロディも美しく、ずっと素晴らしいものに思えました。もちろんこちらもモーツァルトの天才を反映した楽しい音楽になっています。ちょっと中盤、「フィガロの結婚」の「もう飛ぶまいぞ この蝶々」を思わせる雰囲気になるのはご愛敬でしょう。

( 2018.11.12 藤井宏行 )


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