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Sonntag   Op.47-3  
  Fünf Lieder
日曜日  
     5つの歌曲

詩: ウーラント (Johann Ludwig Uhland,1787-1862) ドイツ
    Alte hoch und niederdeutsche Volkslieder  Sonntag

曲: ブラームス (Johannes Brahms,1833-1897) ドイツ   歌詞言語: ドイツ語


So hab ich doch die ganze Woche
Mein feines Liebchen nicht gesehn,
ich sah es an einem Sonntag
wohl vor der Türe stehn:
das tausendschöne Jungfräulein,
das tausendschöne Herzelein,
wollte Gott,ich wär heute bei ihr!

So will mir doch die ganze Woche
Das Lachen nicht vergehn,
ich sah es an einem Sonntag
wohl in die Kirche gehen:
das tausendschöne Jungfräulein,
das tausendschöne Herzelein,
wollte Gott,ich wär heute bei ihr!

もう一週間経っちまったぜ
恋しいあのコの姿を見ずにいるうち。
俺は見たっきりさ、この前の日曜日、
扉の前に立ってるのを
とってもキュートなあのコ、
とってキュートなスウィートハート
お願いだ神様、お願いだ神様、今日こそはあのコのそばにいたいんだ!

この一週間というもの、
俺はあの笑顔を忘れられない
俺は見たっきりさ、この前の日曜日、
教会に出かけているところを
とってもキュートなあのコ、
とってキュートなスウィートハート
お願いだ神様、お願いだ神様、今日こそはあのコのそばにいたいんだ!


 宗教的で教訓臭い「4つの厳粛な歌」から夢見るような恋の歌「Minnelied」、はたまたハイネの詩につけた繊細な情景描写「夏の夕べ」から間男を殺すバラード「裏切り」、おもわず赤面してしまうような盛り上がりを見せてくれる「永遠の愛」から情けない振られ男のお話「甲斐なきセレナード」まで、ブラームスの歌曲の世界も信じられないほどの多彩さを見せてくれますが、やはり一番聴いていてほっとするのはこの曲のような素朴な民謡調の歌ではないでしょうか。
 ゆったりとした3拍子(レントラー?)のリズムにのせて、純朴そのもののような男の子の願いが歌われるとついつい微笑ましくなってしまいます。ちょっと訳詞は遊びすぎてしまいましたが、こんな感じのユーモアがこの曲の魅力でもあると思いますのでご容赦のほど。この手の曲では、やはりヘルマン・プライの暖かく包み込む歌声が一番ぴったりくるような気がしますが、一度ラジオで聴いたフィッシャー・ディースカウの歌声に身震いするような感動を覚えたこともあります。(最後の「神様」のところ、Wollte Gott Wollte Gott の繰り返しが絶品でした)残念ながら私の今持っている彼の歌唱(サヴァリッシュと入れたEMI盤)ではなんだか表情が過多で、その時の感動が蘇って来ません。あとはやはり大御所、ハンス・ホッターの深みのある歌唱が、この曲には不釣り合いな格調であると言えなくもありませんが素晴らしいです。私はブラームスの歌曲集は彼の歌で刷り込みを受けたので、他の演奏で聴いてもいまいち違和感を感じてしまうことが多く、今でもブラームスを聴くなら彼の歌で、と思ってしまいます。

(藤井宏行 1998/2003.12.21・ハンス・ホッター追悼に合わせ改訂)

( 2003.12.21 藤井宏行 )


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