妻田薬師(遍照院)の湧水
妻田薬師(遍照院) 厚木市妻田西3-17-32
妻田薬師は、もともと古義真言宗の白根山遍照院東光寺という別当寺が管理する仏堂で、古くから近隣の人々の厚い信仰を受けていました。このため、妻田薬師には、多くの文化財が残されています。
薬師堂(市指定有形文化財)・・・薬師如来を安置するための仏堂で、えいろく12年(1569)の三増合戦の時に武田信玄によって焼かれたと記録に残っています。現在の建物は宝暦8年(1758)に再建されたものです。
厨子(市指定有形文化財)禅宗様の一間厨子(いっけんずし)で、桁行3.3尺、梁行(はりゆき)3.4尺です。屋根は入母屋(いりもや)造、瓦様板葺で鯱(しゃちほこ)を乗せています。
木造薬師如来坐像(市指定有形文化財)
木造日光・月光菩薩像、木造薬師如来立像(市指定有形文化財)
木造十二神将立像(市指定有形文化財)
銅鐘(市指定有形文化財)
クスノキ(県指定天然記念物)かながわの名木100選、県内有数の太さを誇る巨木・古木。 幹にある火傷の痕は武田信玄が小田原城攻めの帰路、社堂放った火が燃え移った名残と伝わる。 樹齢700年と言われ、樹高22m・根回り約17.5mのクスノキは、日本の温暖地帯の最北端に繁殖することから県の天然記念物に指定され、妻田薬師保存会により樹勢剤注入や土壌回良剤など保存活動が行われている。
歴史口承
清水池と清水の弁天様「自然の母の乳房より、ここに流るる清水あり。例えばやさしき親心、あふれ出つるに似たるかな」と校歌に歌われるこの泉は、清水小学校の校名のもとです。
昔より妻田薬師境内東の方に轟々と湧き出て清水池を満たし今日に至っています。その昔、良辮僧正が薬師堂で七日七夜の修行をされ、満願の朝方、清水池に蓮の白根がいっぱいに伸び、きれいな花が咲いたと伝えられ、白根の地名の所似といわれます。(汲む事も、飲む事も出来ません)
この池の祭神は女神様の弁財天で、池の中には、右手に独鈷杵、左手に羂索を持つ弁財天、御堂内には琵琶と云楽器を奏でる優しいお姿の弁財天が祭られています。古くから「清水の弁天様」と親しまれ祭日を己の日とし、福得智勝賦与の功徳により信仰を集めています。
平成4年十月十二日 清水前の碑文より