日々のエッセイ

 
今年になってやり始めたことで、熱中しているものの一つが、フィンランド語を覚えること。パ行やラ行の発音が多くて、日本人にとって可愛らしく聞こえる単語がたくさんあります。冬に関する単語では、雪はルンタ、ニット帽はピポなど。妖精の国だけあって、言葉もどこかファンタジー。
 会話を覚える時は、いちいち語呂合わせの文を作って、楽しんでいます。たとえば、「見た目、クール(かっこいい)」で、フィンランド語の「元気ですか?」を表す『ミタクール』とか、「夏を惜しんでセミよ泣け」で、「さよなら」を表す『ナケミーン』とか。
 こじつけも甚だしいけれど、一度覚えたら忘れられなくなります。フィンランド語は、発音アクセントが全部、文頭にあるのも覚えやすい。会った時の挨拶『モイ!(やぁ)』も、可愛くて使いたくなります。(ちなみに、バイバイは、『モイモイ』)
 まだ始めたばかりだけれど、家庭内で日常的に使って、何となく楽しい癒される気分になっています。
 外国語を学ぶと、逆に日本語のバリエーションの豊富さや、言い回しの奥深さに改めて気づき、母国語も学び直したくなります。

  

 フィンランドを代表するブランドといえば、マリメッコ。日本に、マリメッコ列車と呼ばれる可愛い電車があると聞き、静岡へ。新幹線で掛川まで行き、そこから天浜線に乗り換えると、午前中に一本、マリメッコのファブリックで飾られた電車に乗れました。色柄の違うカーテンを開ければ、のどかな風景が眺められて、リラックスできます。

 
 

 無人の都田駅で降りると、そこはマリメッコで埋め尽くされたオシャレな空間。グッドデザイン賞にも輝いた駅舎だそうです。併設のカフェでコーヒーを頼めば、マリメッコのティーカップで出てきて、日本にいながら、しばしフィンランド気分。

 

 駅から15分ほど歩いたところにある『ドロフィーズ』という場所へ。ここはフィンランド好きな人たちの聖地だそうで、現地の雑貨や家具を扱ったお店がたくさん集まっています。古い民家をリノベーションしたお店が良い雰囲気。牧歌的な風景で、どこも絵になります。

 
 
 野菜倉庫を改造した絵本の家は、木のぬくもりが優しくて、並んだフィンランドの絵本をゆっくり読みたくなります。(時間がなくて、あまりゆっくりも出来なかったのですが) 我が家にもある、木の子・キュッパを主人公にした『キュッパのはくぶつかん』も、ここに置いてありました。

 


 天井からヒンメリが吊るしてありました。麦わらを結んで作るフィンランドのハンドメイド。ゆらゆら、ゆっくり揺れるのを見ていると、せかせかした日常が遠のいていきます。

 
 

 あちこちにある小さな可愛い家。フィンランドは妖精の国と聞きますが、こういう『タロ(家)』に住んでいるのかな? 途中に、誰でも持ち帰り自由な本箱がありました。場所柄か、刺繍や花を扱うマガジンが多め。

 
 

 マリメッコの布が揃った専門店は、「どれにしようか?」と迷って、1~2時間過ごす人がいると聞きました。それほど種類が多いのです。この薄いピンクのイチゴ柄が可愛かったな。

 


 帰りがけに掛川駅で買ったメロンパンは、発売されてから半世紀の名物だそうで、食べてみたら、本当に美味しい! 表面がなめらかで、ほどよい甘さ。去年の秋から、グルテンフリーを目指している私ですが、また食べたくなる味でした。

 子どもの頃の北欧って、好きだった本『小さなバイキング ビッケ』の影響で、なんだか遠い国、寒い国、身体が大きくて強そうな人たちの国というイメージでしたが、フィンランドはわりと日本に似ているところもあって、冬好きな人なら暮らしやすいのかな。

 


 ビッケを再読。力は無いけれど、その分を頭でカバーする男の子の冒険がユーモラスです。何事にも真正面からぶつかるのが正しいと考える昔気質の大人たちとは逆に、楽をするための知恵を最大限に使って活躍する現代っ子のビッケ。もし今だったら、ネットをフル活用して、効率良い航海などを考えそうな子ですね。

 

 今、すきま時間に読んでいるのが『フィンランドで気づいた小さな幸せ365日』という本。現地の暮らしぶりが垣間見られる、写真の多い楽しい本です。寒い冬に読むと、心がぬくぬくしてきます。

 


  谷山浩子さんのアルバムに『フィンランドはどこですか?』というのがあって、ときどき、車の中で流しています。メルヘンっぽくて、ちょっとアイロニーもあって、でもどこまでも清々しい歌が、妖精の国に重なります。
 
 誕生月の2月、寒さの先に、春が見えてきました。

 2026年 2月
 
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