温度計を見ると、朝から30度を超えている日もあり、暑い夏がやって来ました。去年も暑かったけれど、今年もそれ以上、暑い日が多くなりそう? 覚悟して夏の扉を開けましょう。
赤い電話ボックスって、スマホ時代の今ではあまり見掛けなくなったけれど、街の中にはまだ、ポツポツと残っていますね。
電話ボックスって何? と首をかしげる世代も多くなりました。
これのことです。 中の棚の上に公衆電話が置いてあって、ドアを閉めれば、静かなプライベート空間の中で、電話が出来るというわけです。 あれ? でも、これは・・・。電話の代わりに、おみくじが置いてありますよ。
シャーロック・ホームズのおみくじです。この電話ボックスが設置されているのは、英国アンティーク博物館の前。(鎌倉) 博物館の中には、シャーロック・ホームズの部屋があり、それを見るために出掛けました。ホームズといえば、言わずも知れたイギリスの名探偵。子ども時代に、初めて出会ったミステリーがホームズで、子ども向けに内容を平易にしたシリーズを何冊も読みました。特に『ぶな屋敷』と『まだらの紐』『赤毛組合』が好きだったなぁ。(当時は『赤髪者同盟』というタイトルで、そちらのほうがピンとくる)
著書『ゆめぐるま』1巻目の中に、ホームズの名前が出てきます。主人公の詩織ちゃんが、状況を見ながら犯人が誰なのか当てて、みんなから拍手を受ける場面。シャーロック・ホームズみたい、というのが最高の誉め言葉です。
それはさておきーーー。
ベーカー街のホームズの事務所、兼、自宅。中に入ってみると・・・。
応接室が迎えてくれます。赤で揃えた重厚な室内、椅子の上には、作品中にも出てくるホームズが愛用したヴァイオリン(たぶんストラディバリウス)が、さりげなく立て掛けてあります。
ホームズさんが居ました。お仕事中みたいです。ちょっとイメージと違う気がしましたが、それは子どもの頃に読んだ本の挿絵のせいでしょう。
ホームズの作者、コナン・ドイルの直筆の手紙。こういう手紙を見ると、あの名作を書いた人も、私たちと同じ日常を送る人間だったんだ(当たり前ですが)と、つくづく思います。
博物館では、ホームズが着ていたような探偵風マントも貸し出されていて、雰囲気に浸りたい人はコスプレが出来ます。完璧さを追求したいなら、帽子やパイプを持参する必要があるかも? くまちゃんたちもコスプレしていますね。
パイプつながりで、タバコの話題。これは、日本でも古くから売られているアメリカのタバコ・ラッキーストライク。実は、豆本なのです。タバコの箱と同じサイズで、144ページの厚さ。短編集になっていて、1986年に非売品として発行されました。私が持っているということは、何かのおまけだったのかな? その頃の空気感あふれる作品群。 たとえば、片岡義男の文に、ペーター佐藤の絵。村上龍の文に、奥村ユキマサの絵・・・といった具合。 当時から、私は豆本が好きだったようです。 写真のタバコは、本物じゃなく、鉛筆です。こういう、なんちゃって商品も好きです。
豆本も相変わらず、制作中。8月くらいには、新しい豆本が出来る予定。装画やイラストは、パリのエスプリを感じる絵柄の広瀬摩季さん。私自身も楽しみながら作っています。
今年の始めにギャラリーで観た、須田悦弘さんの朝顔です。本物そっくりだけれど、創作物。葉脈の一本一本が刻まれていて、そばで見ても本物にしか見えません。 夏の花といえば、ひまわりや朝顔。 夜型を返上して、パッと開いた朝顔を見なくちゃ。
みなさま、暑さ負けのないように。
2025年 7月
トップページへ
前回のエッセイへ