日々のエッセイ

 3月、街の中でお雛様飾りをよく見掛けます。お店はもちろんだけれど、普通の住宅の一角にお雛様が飾ってあると、通るたびに目がいって、春が来たなぁという気分になります。澄まし顔の古いお雛様たち、いくつもの時代の、たくさんの女の子たちの成長を見守ってきたのでしょうね。

      

 
今年は“世界の名作童話”を豆本にしよう、と年頭に考えていて、その第一弾『不思議の国のアリス』を作りました。お馴染みのアリスの挿絵といえば、ジョン・テニエルやアーサー・ラッカムでしょうか。 私のアリスは、こんな感じです。(少女の写真は、アリスのモデルになったアリス・リデル。その背景のチェシャ猫は、テニエル画)

   

 
原作をじっくり読むのも楽しく(改めて読み直すと、忘れていた場面がいくつもありました)、スピーディーな展開、ワクワクする仕掛けなど、不朽の名作だけあるなぁと思いました。

      


 B5用紙に8ページ分を割付して、全部で32ページ。内容をコンパクトにまとめるのが、なかなか難しかったです。どこも“はぶきたくない場面”だから。

 今度は『星の王子さま』あたりを豆本にしてみたいなぁ、と考えています。

 春は庭先のお花がきれい。本物のお花はもちろんきれいだけれど、街を歩くと、可愛いお花の造形物に出会え、それもまた春らしい。

      

 
スーパーマーケットの端に、本物の木と一緒に植えてあったキネティック・アートの花。風に吹かれ、クルクル快活に回っていました。キネティック・アートというのは、動く美術作品という意味だそう。

     

 
中学校の校庭に咲いていた明るい花。これは全部、小石で出来ていました。生徒さんが、石に色をつけ、きれいに並べたのでしょう。元気いっぱいな花です。

 3月は菜の花の黄色も、まばゆいですね。安西水丸さんが絵を手掛けた絵本『ピッキーとポッキー』の中に、菜の花畑が出てきます。一面、黄色くて、のどかで、子どもの頃のノホホンとした気持ちを呼び覚ます本。春になるたび、ページを開きます。ふたごのウサギ、ピッキーとポッキーの楽しそうなこと!

     

 
気候が良くなったので、3月は屋外での買い物なんかもいいですよね。3月24日の日曜日、YOT-TOKO(所沢市)のなごみマルシェに、ギャラリーウシンさんが出展されるそうで、絵本『イマジナリージャーニー』ともそこで出会える予定です。

     
 

 この絵本は、3年前、ギャラリーウシンさんで行われたBOOK展のために、オーナーの細野敦子さん、画家の川畑都さん、私とで作った思い出の一冊です。タイトルどおり、空想の旅が展開され、登場する国の言葉(フランス語、英語、アラビア語、中国語)の豆知識も学べる本になっています。お近くのかたは、是非、のぞいてみてくださいね。

      

 3月は苺の旬なので、さまざまな種類の苺が店頭に並んでいます。大粒だったり、小粒だったり、まん丸かったり、ほっそりしていたり、フォルムもいろいろ。赤だけじゃなく、最近は白い苺もわりと見掛けます。ポピュラーになりつつあるのかな? 
 苺プリンについていた“いちごおみくじ”が大吉で、なんとなく幸せ。昨年末から髪を苺色のショートにしたので、“苺あたま”と呼ばれていた私ですが、だんだん髪色も落ち着いて元に戻りつつあります。旬の苺のようにフレッシュな3月を過ごしたいな。
 
 みなさま、良い春を!
 
 2024年3月

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