2006年「総優広めよう会」の総二郎バースデー企画に提出させていただいものです。
司loveなのに、なぜか初SSは「総二郎×優紀」でした(笑)

生まれて初めて書いた代物ですので、どうぞ暖かい目で見てやって下さい(笑)
あとがきも当時のままにしてあります。







良く晴れた、気持ちのいい日。

今日は俺の誕生日、12月3日。

夕方からは、あいつらがパーティーを開いてくれる。

子供のときからの親友F3と、いつの間にか俺らF4と対等に付き合ってる牧野たち。

そういえば滋が「T4」とかなんとか言ってたっけ。

司にしてみりゃ、俺の誕生日に託けて、牧野に会いに帰ってくるだけだうけどな。

場所だって結局、司の邸だし。

俺の誕生祝いなのか、司の帰国祝いなのか分かったもんじゃねぇ。

でもまぁ、大目に見てやるよ。

なんてったって、俺は恋の奇術師だからな♪





♪Happy Birthday!! Dear Sojiro♪ 〜幸せな気分〜




はぁ〜・・・

ため息をつきながら、俺は身支度を整え、家を出て車に乗り込んだ。

太陽はちょうど真ん中あたりまで昇って、12月だというのに少し暖かい。

俺がなぜため息をついてるかって?

その原因は数分前の電話。


「おうっ、総二郎か。俺は2時には邸に着くからよ。
 お前邸の滑走路まで出迎えに来い。いいな?」


ブチッ、ツーツーツー・・・・・・


俺は電話を切って呆然とした。

いや、正確には切られたんだけど。

パーティーの開始時間までは、まだだいぶある。

なのに司の奴、邸の滑走路まで出迎えに来いだとー?

何で俺が?

牧野が行きゃ、それで十分じゃねーか!!

俺の誕生日だってーのに、何で俺が出迎えなきゃなんないんだよ。

お前が出迎えろっつーんだよっ!!

まったく・・・・







司の邸までの道程を走りながら、車の外に目を向ける。

もうすぐあの交差点に差し掛かる。

俺はここで必ず、あの日のことを思い出す。

あの日、ここでうずくまっていた「松岡 優紀」を。

俺が革命を起こした、俺に革命を起こしたその名前。

今でもたまに彼女の名前が頭をよぎる。

そういえば、今日会うのも久しぶりだな・・・



その交差点を過ぎようとしたとき、俺の目が一人の女を捉える。


「優紀ちゃん・・・」


俺は車を止め、彼女に近づいた。

当の本人は俺に全く気づかない。

そりゃそうだ、彼女は目瞑ってるからな。

何やらお願い事をしているようにも見えるけど

なにやってんだ・・・?


「優紀ちゃん♪」

「ひゃぁっ!!!」


俺の声にビックリする彼女。

同時に通行人の女たちの視線が一気に彼女に集中する。


「西門さんっ!!」


彼女は顔を真っ赤にしながら、口をパクパクさせた。


「ぷっ・・顔真っ赤だよ? それにどうしたの?こんなところで・・」

「あっ・・いゃっ・・あのっ・・その・・・別に・・」


彼女は、手をバタつかせ慌てふためいてる。

おいおい、何だってそんなに慌ててるんだ?

いくら俺が天下のF4の一員、西門総二郎だからって、

優紀ちゃんにとってみたら見慣れた一人だろうし、

俺たちはその・・・一応・・なぁ。////


「西門さんこそ、どうしたんですか? 顔が真っ赤ですよ? 風邪ですか?」

「えっ?///」


なに?? 俺が真っ赤???


「あっ・・ い、いや、何でもないよ。

 あぁ、そうそう、俺これから司んちに行くんだよ。
 あいつ、俺の誕生日だってーのに、俺のこと滑走路まで迎えに来いってよ。
 信じらんねーよな。牧野一人で十分だろっつーんだよ。
 あっ今日、優紀ちゃんも来るんだよね? 俺の誕生日パーティー・・・」


って、俺は何べらべらしゃべってんだよ!!

しかも、「俺の誕生日パーティー」って・・・

何か催促してるみてーじゃねーか。


「あっ、誕生日おめでとうございます!! はいっ。もちろん行きますよ。」


と笑顔で答える彼女。


「あっ、ありがと♪」


やべっ・・・ちょっと見ない間に、可愛くなってる・・・。

俺も慌てていつものポーカーフェイスに切り替える。


「で? ここで何してたの?」


すると彼女は何やらモジモジとして言い難そうにしてる。


「あっ、別に言いたくないならいいよ。司んちに行く途中だったんなら、一緒に乗ってく?」

「あっ・・いや、別に言いたくない訳じゃないんですけど・・・」


ちょっと恥ずかしそうに、俯いて説明する彼女。

少し間を置いて


「・・・私にとってこの場所は、教会みたいなもんなんです!!」


彼女はその芯の通った強い瞳で、俺を見上げてそう言った。


「は?」

「あっ・・いえ、別に私、クリスチャンでも何でもないんですけど・・
 いや・・・何ていうか・・私はここで西門さんに助けてもらって、勇気ももらって・・
 『私なんか』じゃなくて『私だって』って思えるようになったのも、
ここで西門さんに会えたからで・・・」

「私、くじけそうになったり、自信をなくしそうになるとここに来るんです!
 あの時の西門さんの言葉を思い出せるように・・。
 ついでに、願掛けみたいなこともしたりして・・・。
 それで今日もその願掛けに・・・」


ここまで一気にしゃべると、彼女は急に我に返ったようにハッとして言葉を飲み込んだ。


「へー、そりゃ嬉しいね♪俺の言葉で優紀ちゃんがそこまで思ってくれてるなんて♪
 で、今日は何の願掛けなの?」


俺は、悪戯っぽい笑顔で彼女を覗き込む。


「あっ・・あのっ、その・・」


赤い顔を更に赤くさせて彼女は俯きながら言った。


「・・にっ西門さんが、しっ幸せになれますように・・って」

「えっ?」

「今日は西門さんの誕生日だから・・・・」

「・・・・・」

「ごっごめんなさいっ。変なこと願掛けしてて。可笑しいですよね」


そういって、下がった眉毛を更に下げて笑う彼女。

・・・いや、何か知んないけど、すっげー嬉しいんだけど・・・?

なんだろ・・ 変な感じ・・・。

オレガシアワセニ・・・・?

黙っている俺を見て、彼女は慌てて


「すいません、私、やっぱり電車で行きます!!」


ぺこりと頭を下げると、俺に背を向けて走り出して行ってしまった。


「あっ、待って!! 優紀ちゃんっ!!」


追いかけて彼女の腕を掴む。


「ありがと。何かすっげー嬉しいよ」


そう言うと、彼女は涙目になって小さく頷いた。

そんな彼女を見てたら、何だか急に手を離すのが惜しい気がして


「俺も、歩いて行こうかな♪」

「ええぇぇっ!! 西門さんが徒歩で?!」

「おいおい、別に俺だって歩くことぐらいあるよ? 一緒に行こ♪」


掴んだ腕は手へと移り、俺は歩き出した。

ビックリした目で俺を見ながら、引っ張られるようにして歩く彼女。

そういえば俺、女を引っ張って歩いたことなんか、なかったかもな。

どっちかってーと、ピッタリ引っ付いてくる女ばっかりだったからな。

そんなことを考えながら歩いていると、ふっと彼女の足が止まった。

見ると、店のショウウィンドウにクリスマスのディスプレイがしてある。

そっか・・もうクリスマスだもんな・・・。


「優紀ちゃん、中入ってみる?」

「えっ・・?」

「いいから、いいから。いこっ♪」

「わっ・・西門さん!!」


彼女の背中を押し、店の中へと入っていく。

目をキラキラさせながら店内を歩く彼女。

へぇー、優紀ちゃんってこんな顔もするんだな・・・

それから俺たちは、歩くたびに気になる店へと入っては、他愛もない話で笑いあった。

日はすっかり暮れ、5軒目の店を出た俺たちは、再び歩き出す。


「歩いてると気になる店とか結構あるもんだねー。車だと気づかないけど」

「そうですよー。西門さんは歩かなすぎです。あははっ」

「かもなー。本当のデートってこういうもんなのかもね♪」

「でっデート??!!」


俺の言葉に顔を真っ赤にする彼女。かっ・・可愛い・・。


「そっ、デート。こうやって時間をかけてブラブラして・・・」


・・・時間をかけて・・ブラブラ・・・


・・・時間をかけて・・・???




「あ゛あぁぁあぁぁぁーーーーーー!!」

「どっ!!どうしたんですかっ、西門さん!!」

「やべぇ、俺、司んとこ行く途中だったんだっ!!」

「ああぁぁぁぁっ!!! そうですよって私も・・」


時計を見ると、とっくにパーティーが始まってる時間。

俺が時間を忘れるなんてな・・・


「やべぇ・・とにかく行こうか、優紀ちゃん」

「はいっ。私も一緒に謝りますっ!!」

「ぷっ・・別にいいんだよ、謝らなくても。今日の主役は一応、俺だしね」

「そうですけど・・、その主役が遅刻じゃ集まってる皆さんに悪いですよ・・・」

「確かに・・・、司も俺に 滑走路まで来い!! なんて言ってたしな」

「ああ!! そうですよ!! どうしよう、道明寺さん怒ってるかも・・」


急にオロオロしだす彼女。

そーだよな、司が怒ってても平気なのって、俺らと牧野ぐらいだもんな・・・


「まぁ、とりあえず急ごう」

「はい」


そう言って俺は彼女の手を取り、走り出した。

彼女の走る速度に合わせて・・・







息を切らしながら道明寺邸に着き、メイドに案内してもらったのはリビングだった。

俺と彼女が部屋に入ると、真っ先に駆け寄ってきたのは牧野。

そういえば、牧野と会うのも久しぶりかも・・。


「優紀!! 来ないから心配したんだよっ。携帯も繋がらないし!!」

「つくし・・・あっ、ごめん。携帯電源入れるの忘れてた・・」

「もうっ、携帯の意味ないじゃんっ!! でも良かった、安心したよ」

「うん・・ごめんね つくし、心配かけて」

「平気、平気。あれ? でも何で西門さんと一緒なの・・・?」

「あの・・その・・」

「来る途中にバッタリ会ってさ。デートしてたんだよ♪ ねっ? 優紀ちゃん♪」

「「「「でっデートォ??!!」」」」


牧野とあきら、桜子と滋の声が部屋中に響く。

そんなに驚くことか?


「みんな・・・うるさい・・・・・」


ソファで寝ていた類が、ぼそっと呟く。

類・・・お前はまた寝てたのか・・・


「ほぉぅ・・この俺様の出迎えをすっぽかして、デートだとぉ?」


青筋を立てた司が、皆を押しのけて、ゆっくりと俺の前に立ちはだかる。


「ああ、わりぃ、司。ついうっかりな・・・」

「うっかりだと?? てめ、俺がお前の為に帰ってきてやってるのに、随分だな? あぁ?」

「ちょっとっ!! 道明寺っ!!」


牧野が制止するも、その声は司には届いていない。


「ふんっ、お前は俺の誕生日に託けて、牧野に会いに帰ってきてるだけだろ?」


俺の鋭いつっこみに、あいつはシドロモドロで


「/////・・なっ!! ふざけんなっ!! 俺はお前に・・」

「ふざけんなって言ってもなー。お前、顔真っ赤だぞ?」

「うっ・・・くそっ!!」


司とそんなやり取りをしていると、今度は牧野が俺の前に立ちはだかる。


「ちょっと西門さんっ!! デートって何よ?! 優紀に変なことしてないでしょーね?!」

「牧野・・・ひでーな・・。俺は別に・・」

「つくし!! 西門さんは悪くないのっ。私があちこち寄り道しちゃったから・・」


おいおい、別に優紀ちゃんだけのせいじゃねーぞっ?! 俺も楽しかったし・・・

楽しかったし・・・・??


「///////」

「やだっ!! 西門さん、顔が赤いっ!! 気持ち悪いっ!! やっぱり優紀に何か・・・」

「気持ち悪いって何だよっ、牧野!!」

「まあまあ、ほらほら。主役が着たから始めようぜ!!」


あきらの仲裁で、俺の言い分はかき消され、パーティーは始まった。


「総二郎、誕生日・・・」

「「「「「「おめでとうっ!!」」」」」」


あきらの音頭でみんな一斉にお祝いのメッセージを送ってくれた。

一人離れてソファに座る、司を除いては・・・・

ちぇっ・・まだ不貞腐れてんのかよっ!!

俺に出迎えに来いって言ったり、何なんだよ、あいつは。


「道明寺さん、怒ってますね・・・。私、謝ってきます」


彼女はそう言うと、司に向かって歩き始めた。

待て待て、優紀ちゃん。あいつが機嫌わりー時は、危ないぞ?


「待って、優紀ちゃん!! 俺が行く」


彼女を追い越して、俺は司の前に立った。


「司。お前を出迎えてやれなかったのは悪かったよ。遅れたのも悪かった。
 大体、何の用事だったのか知らねーけど、今日は俺の誕生日だぜ?
 そんないつまでも剥れて・・」


俺の言葉を遮って、司は口を開いた。


「お前の誕生日だからだよっ!!
 この俺様が一番に『おめでとう』って言ってやろうと思ってたんだよ。
 なのに、遅れて着やがって!!」

「!!!・・・ 」


俺は驚いて声も出なかった。

司が俺の為に、『おめでとう』って言おうと思ってた・・??

それも一番に・・・・、あの司が・・・?


「ふっ・・」

「てめっ・・何が可笑しい? 上等だ!!コラッ」

「まてまて、司。俺は嬉しーんだよ。司がそんな風に人のことを思えるようになったなんてな♪」

「ふんっ!! 俺様は今、幸せだからな。人を祝福してやれる余裕があんだよっ」


司は勝ち誇ったようにそう言うと、食事の用意されているテーブルへと歩いていった。

牧野のいるテーブルへと。




俺は一人、テラスに出て考える。

幸せか・・・そうだよな。

NYと日本で離れてても、司は牧野と上手くいってて幸せだもんな。

俺は・・・幸せなのか??

さっきの彼女の声が蘇ってくる。



  −「にっ西門さんが、しっ幸せになれますように・・って」−


優紀ちゃん・・・・もしかして、まだ俺のこと・・・




「西門さんっ」

「うおぉっ!!! あっ・・なに? 優紀ちゃん」

「あっ、ビックリさせてごめんなさいっ」

「あっ? いやいや、俺もぼーっとしてたから・・」

「道明寺さん・・・ホント変わりましたね。
 西門さんに一番に『おめでとう』って言いたかったなんて・・」

「ああ、聞いてた? そうだよな・・ビックリしたよ」

「道明寺さん、今ホントに幸せなんだろうな・・。
 ・・・きっと幸せって、人から人へ伝わっていくものなんでしょうね・・・」

「優紀ちゃん・・・」

「あははっ、なんか、らしくないかも。
 でも、私に付き合って歩いたから、あちこっち寄り道しちゃって・・・
 そのせいで道明寺さんの『おめでとう』も一番に聞けなくなっちゃって・・
 本当にごめんなさい!!」

「あっいや、別に俺も好きで付き合ってたわけだし。楽しかったよ。
 それに一番最初の『おめでとう』は優紀ちゃんに言ってもらえたしね♪」

「もうっ、西門さん、からかわないで下さいっ////」


いや、別にからかってるつもりはねーんだけど・・・本気で嬉しかったし・・


「優紀ー、コレ美味しいよー。温かいうちに食べようよー」


テーブルからは牧野の全く色気のない声。


「うん、今行くー」


しかし牧野・・・お前はいつも食ってばっかだな・・・・


「西門さんは食べないんですか?」

「あ? あぁ、もう少ししたら行くよ」

「じゃ、先に行ってます」

「うん」


テーブルに駆け寄る彼女を見ながら呟く


「幸せは人から人へ・・・か」




優紀ちゃん、今回は君のお手柄だよ。

司はたぶん、俺が滑走路にいたら『おめでとう』なんて言えやしないよ。

憎まれ口を叩いて終わりだ。

これでも司との付き合いは長いからね。わかるんだよ。


俺が滑走路に現れなかったこと、パーティーに遅れてきたこと。

この2つの条件があったからこそ、司の『おめでとう』が聞けたんだ。

ありがとう、優紀ちゃん。

さすがは、俺に革命を起こした女。

司からのプレゼントは、幸せのお裾分けってとこだな。



そうだな・・司からもらった幸せを、今度は俺が優紀ちゃんに返そうか。

今、俺も何だか幸せな気分だからさ。




〜FIN〜




どわぁぁぁ、何でしょう?コレ・・・
総×優ってよりも、ただの「総二郎の誕生日」の話なだけのような・・・
あっ、初めまして。"しげる"と申します。
夏の終わりのころから、いろいろな花男の二次サイトにハマって
散々、読み逃げしていた私ですが(←逃げるなよっ)
この総二郎のバースデー企画を見て、ちょっと乗っかってみようかなー
なんて思ってしまいました。スイマセン、スイマセン(汗)
えーっ・・・正真正銘の処女作です。
生まれてから30数年・・・初めてSSらしきものを書きました。
ものすっごい駄文なのは重々承知の上ですが、
折角書いたので、応募させていただきました。
でも、すっごく楽しかったです♪
雪乃様・りょく様 素敵な企画をありがとうございます。<(_ _)>