「牧野 司によろしくな」


ニヤニヤしながら西門さんが言う。





「司に たまには俺らにも顔見せろって言っとけよ」


美作さんが詰まらなそうに言う。





「牧野・・・・気をつけてね」


花沢類・・・・・、あたしは別に危険なところへ行くわけじゃ・・・





まっいっか。


それより早く行かないとまた怒られちゃう。


あたしはF3に手を振りながら 道路へと飛び出した。





キキィーーーーーーー!!




―――――――ドンッ!!





「「「 牧野!! 」」」




「おいっ!! 牧野しっかりしろ!!」


「牧野!!・・・・牧野!!!!」


「あきら!!救急車呼んでっ 早くっ!!」



牧野・・・・まきの・・・まき・・・・の・・・・・・







ピーポー ピーポー ピーポー








イタズラ。








「ったく・・・・心配させやがって」


「えへへ・・ごめん、ごめん・・」


西門さんがあたしの頭にデコピンを一発。






どうやらあたし・・・・


手を振りながら道路に出たせいで車とぶつかってしまったみたい。


幸いF3がすぐ近くにいたから、救急車を呼んでくれたみたいだけど・・・





すごい失敗しちゃったな・・。





「でも良かったよ。軽いノウシントウで済んで」


「うん・・・ありがと。花沢類」





「それにしても司のやつ、おせーな」


美作さんが時計をみる。




・・・・・・・・・・








バタバタバタバタ―――――――





バタンッ!!!





勢いよく開かれる扉。


クルクル頭の長身の男が現れる。





「牧野!!!」





うわっ!!


入ってくるなりでっかい声・・・・・。






「何やってんだよ!!お前・・・」






・・・・・・・・・・







「ったく・・・心配させんじゃねぇ!!!」





・・・・・・・・・・





「おいっ! 聞いてんのか?! 心配・・・」






「・・あんた・・・・・誰?」






「「「「 え? 」」」」





F3とクルクル頭の男が 間の抜けた顔であたしを見る。


揃いも揃って すっごいアホ面。 笑えるっ♪





「おまっ・・・ふざけんなっ!! 俺は大事な会議すっぽかして来たんだぞっ!!」






「・・・だから・・・あんた誰なのよ?」







「おいおい、何言ってんだ牧野」


美作さんがあたしの目の前で手を振りながら言った。




「何?美作さん知ってる人?」


「おい・・・牧野・・」


「あんた何様よ!! 人の病室にいきなり入ってきて!!」






「あ?てめーこそ何様なんだよ! 人がせっかく・・・・」





「おいっ司!!」


美作さんが間に割って入る。




「あたしは牧野つくし!! 病室の入り口にそう書いてあるでしょ!
 病室間違えてるんじゃない?! よく確認して入ってきなさいよ!!」


「・・・・・おい、何の冗談だ」



クルクル頭の男の顔には青筋が立っている。






「牧野・・・もしかしてわからないのか?」


西門さんがおっかなびっくりしたような声で聞いてくる。





「・・・・何が?」






「おい・・・・これって」


「ああ、前の司と同じ症状・・・・」


「なに?前の俺と?」







「「「マジかよ?」」」


「・・・・・・・・・」




慌てふためいている3人の横で


壁にもたれ掛かっていた花沢類だけが、じーっとあたしを見つめていた。










「牧野・・・俺が誰だかわからないのか?」


「・・・・・知らない」


あたしはそっぽを向く。






呆然と立ち尽くすクルクル頭の男を、西門さんと美作さんが


『とりあえず一旦出よう』と言って病室の外へと連れ出した。









花沢類と二人になった病室。


相変らずじーっとあたしを見つめてたかと思うと


ゆっくりと壁から背中を離し、ベッドに腰掛けた。




「牧野・・・・」


「なっなによ?」


「本当に司のこと覚えてないの?」


「・・・・・・・」


「ねぇ、わからないの?ほんとに?」


「しっ・・知らないわよ、あんな男」


「ふーん・・・・」






なっ何よ? その納得いかないような顔は!!






「あのさぁ牧野」


「なに?」


「俺のことはわかるんだよね?」


「わかるわよ?花沢類でしょ?」


「うん。じゃあさ・・・」






「・・・・・・」






「俺たちが恋人同士だってことも当然覚えてるよね?」
















――――――――――!!!!!





なっ・・・なにーーーーーー?!



こっ恋人同士ーーーー?



何言ってんの? 花沢類!!








「はっ・・・はい? あたしと花沢類が?」


「うん」


「恋人同士?」


「そう♪」







そう♪  じゃなーーーい。



あたしの恋人は「道明寺司」なの!!



さっきは・・・・その・・・・ちょっとイタズラしちゃったけど・・。












あいつが前に記憶障害になったとき・・・・・



今のあたしと同じような状況になったことがある。



あのときのあいつの態度・・。



今でもハラワタが煮えくり返るほど、憎たらしい!!



だから今回、あの時のあたしの気分を味合わせようとしただけなんだけど・・・・



なんか・・・・



思いもしなかった展開になってない・・?










「牧野・・・・」


「ひっ!! はっはい!!」


「本当に心配したよ。よかった無事で・・・」





そう言いながら、花沢類の顔がどんどん近づいてくる・・・。





こっ・・・これは、この展開は・・・!!!!






「すっストーーーーップ!!」


思わず花沢類の顔を押さえつけて横へ向けた。






「なに?牧野 キスもさせてくれないの?恋人同士なのに?」






だーかーらー、あたしの恋人は「道明寺司」なの。


口をパクパクさせながら、動揺するあたし。






「ぶっ・・・すごい顔・・・くっくくくく」


突然、花沢類がお腹を抱えて笑いだした。





「牧野・・・記憶がないなんて嘘でしょ?」


「へっ?」


「みんなは誤魔化せても、俺の目は誤魔化せないよ」






・・・・・・なによ・・・バレてたの?






「なっ・・なによ、花沢類!! わかってるなら・・・」


「だって・・・」


「えっ?」


「牧野が司にイタズラするから・・・」


「・・・・・・」







「だから俺も牧野にイタズラ♪」


「・・・ははっ」






やっぱり、この人には適わない・・・。


何でもお見通しなんだから・・・。




二人で顔を見合わせて『ふふふっ・・』と笑い合うと 花沢類がベッドから立ち上がった。




「牧野、立てる?」


「えっ?」


「司・・・探しにいかないと・・・・だいぶ混乱してると思うよ」


「ああーそうだね・・・」


「イタズラもこれ以上引っ張ると厄介だからね。いこう。」







花沢類に手を貸してもらってベッドから立ち上がる。


あたしの肩を支えたまま、花沢類が言ってきた。







「ところで・・・・何かご褒美ないの?」


「ご褒美?」


「そっ。牧野の嘘を見破ったご褒美」


「そんなもんあるわけないでしょ」


「なーんだ、つまんないの。・・・あっ♪じゃこれでいいや」










―――――chu♪








――――――――!!!!///////////




「ちょっちょっと///////」


「いいじゃん、これくらい♪ 今から一緒に司に謝ってあげるからさ」







全然、よくなーーーーーーいっ!!//////


それこそ、こんなところをあいつに見られたら、謝るどころじゃ済まないって!


でもまあ・・・・あたしも今回やりすぎたようだし・・・


ここはひとつ 花沢類にも助けてもらって上手く謝るしかないか。


まさか こんなにあっさり引っ掛かるとは思わなかったし・・・・ね。









「まーきのー 行くよー」


「あっ、待ってー」






ペタペタペタ


あたしは花沢類の後を追いかける。


恋人の「道明寺司」を探しに―――。
































「ねぇ、花沢類」


「ん?」


「どこで嘘だってわかったの?」


「う〜ん・・牧野・・・・顔に出すぎ・・・」


「え?」


「司が慌てて入ってきた時・・・・・・すごい嬉しそうな顔してた」


「そっ・・・そう?///////」


「・・・・・うん♪」





〜Fin〜




くぅーー、類 切ないっ (ノω・、) ウゥ・・・
でも「司×つくし ←類」は書いていて楽しい♪
私の中では、類はどうしてもこの位置になってしまいます。 ( ̄∇ ̄*)ゞエヘヘ