「ふぅ〜 やっと片付いた」
あたしは最後のダンボールを畳んで立ち上がった。
何もかもが新しくて 何もかもが新鮮な部屋をぐるりと見回す。
今日からここが・・・・・あたしの家。
ううん 違う・・・・・あたしたちの家・・・・
もうすぐここに ――――――――――
あいつが帰ってくる。
約束の4年が過ぎて ――――――――――
道明寺が N.Yから帰ってきた。
そして あいつが真っ先に あたしに提案したこと。
それは ――――――――――
2人の生活。
つまり・・・・・あたしとの同棲。
「なぁ 俺ら一緒に住まねぇ?」
そう言って マンションのパンフレットを差し出した道明寺。
いくら日本に戻ってきたからと言っても
すでに グループの一役員として働く道明寺には
やらなければならない仕事が山ようにある。
プライベートな時間は ほぼないに等しく あたしと会える時間はごく僅か。
だけど一緒に住めば ――――――――――
あいつが家に帰れば あたしはいつも そこにいる。
どうやら そんな風に考えたらしい。
内心・・・・・・・
あいつのことだから 戻ってきたら 即 結婚!
なんていい出すんじゃないかとも思っていたけど・・・・
N.Yでの4年間で 少しは賢くなったのだろうか。
『結婚』 の言葉は一度も出てこず
今回は 『同棲』 という形に落ち着いた。
そして 今日が ――――――――――
その 『同棲初日』 になる。
先に運び込まれていた あいつの荷物は すでに綺麗に片付けられていて
あたしは前のアパートを引き払い 少ない荷物とともに
今日始めて この部屋を訪れた。
あいつが帰ってくる前に ――――――――――
全部終わらせて 夕飯でも作っておこう!
そう思って 急ピッチで片づけをした結果 予定の時間よりも早く終了。
引越し慣れって・・・・・・・こわい。
「よしっ! 夕飯の準備に取り掛かるとするか!」
軽く背伸びをして あたしは台所へと向かった。
高速道路と直走る。
今日1日の仕事を終え 家路へと急ぐ車の中で
俺はチラリと腕時計に視線を落とす。
「おい。あとどれくらいで着くんだ?」
「あと・・・3〜40分ほどかと思いますが・・・・」
運転手がバックミラー越しに 遠慮がちに答える。
あと 3〜40分だと?
そんなに待てるか!!
「おい・・・・・20分以内に着かせろ。いいな?」
「はっはい!」
運転手の声は裏返り
隣に座る西田は 軽く溜息を吐く。
ふんっ。 知ったこっちゃねぇ。
俺は一刻も早く帰りてぇんだよ。
あいつの家に・・・・・・・
いや・・・・・・・あいつが待つ 俺たちの家に。
俺がN.Yから戻ってきて 真っ先にしたこと ――――――――
――――――― それは
牧野と一緒に住む提案・・・・。
本当は 『結婚』 しちまっても良かったんだが
あいつが首を縦に振るわけがねぇ。
あいつが素直じゃねぇことは
この4年間の間に いやと言うほど思い知らされた。
だからといって 俺の自由な時間は限られている。
あいつに会うために 移動する時間すら惜しい。
だったら ――――――――――
一緒に住んでしまえばいい。
そうすれば・・・・・・
俺が家に帰れば あいつはいつも
――――――― 家にいる。
「なぁ 俺ら一緒に住まねぇ?」
俺の提案に 一瞬驚いた顔をしたものの
思いのほかすんなりと頷いた牧野。
4年の間に 少しはあいつも素直になったのか?
そして 今日があいつとの生活の 第一歩。
家に帰ればあいつがいる ――――――――――
俺はこの日の為に 4年間頑張ってきたと言ってもいい。
あいつの笑った顔や 怒った顔。
泣き顔は・・・・・あんま見たくねぇが
嬉し泣きってやつなら見てやってもいい。
これからの生活の中で・・・・・・いろんな顔を見せてくれ。
牧野・・・・・
早く・・・おまえを
―――――――――― 抱きしめたい。
俺は スーツのポケットから携帯を取り出し
ボタンを押し始めた。
グツグツと お鍋の中で材料が踊る。
・・・・・う〜ん おいしそうな匂い。
味も・・・なかなかね。
一応 今日は記念日 ――――――――――
材料も奮発して ビーフシチューを作ってみたけど・・・・
あいつ・・・・食べてくれるかな。
何てったって 食べ物の趣味とか
全然合ってないような気がするのよね。
・・・・・・・つーか、そもそも価値観がズレてるし。
ってか間逆?
育ってきた環境も何もかも 怖ろしいほど違うのに・・・。
「ホント・・・なんで あたしなんだろ・・・?」
・・・・・・・・・・・・・この疑問は
たぶん・・・・・一生 解かれることはないのかも知れない。
それでもいい。
何をどう考えたところで あたしは道明寺が好き。
それはあの4年間で いやと言うほど思い知らされた。
『愛してる』
4年前 コテージで道明寺に言われた言葉。
今でも あたしの耳にこだまする。
あの言葉があったから ――――――――――
あたしは今日まで頑張ってこれた。
あいつが向こうにいる間
幾度となく繰り返し報道された色恋沙汰。
それでも 道明寺を信じてこれたのは・・・・・
あたししか知らない ――――――――――
あたしにしか見せない ――――――――――
あいつの本当の顔を・・・・・
あたしが知っているから。
そして今日からは
きっと もっと沢山の あいつの顔を知ることができる。
少年のような笑顔も ちょっと慌てた間抜けな顔も
水に濡れてストレートになる髪も 男らしい顔も・・・・・
いっぱい いっぱい見せて欲しい・・・。
その1つ1つを見逃さないために この生活を選んだ・・・・
そう言っても きっと過言じゃない。
そして あたしは ――――――――――
道明寺のために 道明寺のためだけに
―――――― ここに存在する。
///////////// ボッ!! ////////////
やっ・・やだっ!! 何で顔が赤くなんのよっ!!/////////
もぅ〜 ////////
♪♪♪〜〜♪♪♪〜〜♪♪♪〜〜〜〜
ブンブンと顔を振るあたしの後ろで
テーブルに置きっぱなしになっていた携帯が
軽快な音楽とともに ブルブルと小刻みに震えだした。
―――――――――― バタンッ
俺が車から降りると その後ろで 汗だくの運転手がドアを閉めた。
時間はあいつにメールを送ってから
ちょうど 20分 ――――――――――
やれば 出来んじゃねぇか。
西田がスケジュール帳を広げ 俺へ最後の確認をする。
「では明日の朝 8時にお迎えにあがります」
「あぁ わかってる」
ここに来るまで 何度も確認させられた。
そんなに俺は・・・・信用されてねぇのか?
不安な表情の西田と・・・・
安堵の表情を浮かべる運転手とに見送られ
俺はマンションのロビーへと消えていく。
ここから先は ――――――――――
俺たちだけの空間。
逸る気持ちを抑えながら
俺はエレベーターへと乗り込んだ。
『あと20分で着く』
たったそれだけのメール。
それなのに こんなにも心が踊るのは ――――――――――
あたしもその瞬間を 待ち焦がれているから。
伝えたい言葉は山のように溢れてる。
ただ・・・・・ 素直じゃない あたしが
それを実際に言葉にするのは難しい。
だから ――――――――――
あたしはあたしらしく 精一杯の笑顔で迎えてあげたい。
あいつだけの為に 発せられる言葉と一緒に。
あの短いメールから ――――――――――
時間は刻一刻と過ぎていき
気がつけば 時計の針は
ちょうど20分後を指していた。
もうすぐ ――――――――――
あたしたちの新しい生活が スタートする。
エレベーターが止まり 扉が開く。
部屋までの道のりは
まるで俺たちのためだけに 存在しているかのようだ。
これから先 幾度となくこの道を通るだろう。
今日から始まる 俺たちの生活。
あいつは この扉の向こうにいる ――――――――――
きっともうすぐ
チャイムが鳴る・・・・・・はず。
インターホンのボタンに手をかけて
無意識に深呼吸。
ピンポーン♪
―――――――――― ガチャ
「おっ・・・・おかえり////////」
「おう・・・・・ただいま/// 」
2人の生活が ―――――――――
今 start する。
〜 Fin 〜
※あとがき※
最後までお読み下さいまして、ありがとうございました。
このお話は 10万HITを踏まれましたmappy様よりリクエストを受けて書き上げました。
kinki kidsの「愛のかたまり」という曲のイメージで・・・・とのリクだったのですが
実は聞いたことがなく・・・・、歌詞をネットで検索しました。
そして「曲を聴いてみたい」と思い、レンタルショップへ走ったのですが見つけられず・・・・・orz
ですので、バラードなのか、アップテンポなのかも分からず
ただただ、私の勝手な解釈のもと、こんな感じに仕上がってしまいました。
えーっと・・・・今回は一応、出来るだけつくしを素直にしてみようと決意。(←大袈裟な・・)
つくしは司が目の前にいなければ、きっとこんな感じなんです!(勝手に)
本心は、司とイチャコラしたいはずなんです!!(誇大妄想)
司は年中イチャコラしたいんでしょうけどね。( ̄∀ ̄;)ハッハッハ
さぁ、これから先は、バカップル同棲の始まりです。もう・・・好きなだけやっちゃって!
最後に・・・・・
mappy様・・・・リクエストをありがとうございました。
なのに・・・・こんな駄文で、本当に申し訳ありません。。゜(゜´Д`゜)゜。ウァァァン
間違いなく、mappy様のイメージをぶち壊しておりますが
こんなんでよろしかったら貰ってやって下さいまし。(低頭)
しげる