旅 (出会い 人 花)
この夏は箱根、熱海,房総館山に小旅行をした。 箱根湿生花園ではモジズリの花を偶然発見したり、じっくりいろいろな花を観察できた。 熱海では厚木で小田原厚木道路に乗り換えるところをまっすぐ行ってしまい、結局、御殿場まで行き、そこから熱海に抜け出た。 途中、三国、十国峠で、深い霧に遭い、命からがらの恐ろしい思いをした。 去年も同じ目にあっており、2度目のもっとすごい恐怖を味わった。 ようやく山中を抜けて、突然霧が晴れて、前を見ると熱海梅園があった。梅のシーズンではないが、そこで、思っても見なかった充実したよい時間を持てた。 将に老子が言う”禍福は糾(あざな)える縄のようなものである。”道を間違って、恐ろしい思いをしたけどその裏にはいいことがあるものだなあと。 館山ではすばらしい人と出会えた。 菱川師宣展の隣で、水村喜一郎画伯の個展をやっていた。 風景画の油絵が中心だが、水彩風の魚とか、花もある。特にその水彩風の絵には詩や歌もある。 水村さんは腕白坊主の9歳の時、変電所で遊んでいて、感電事故に遭い両腕を失ったが、絵が好きで好きで、親父さんの猛反対を押し切り、現役の本当のプロの画伯になったという。 両腕が無いということを少しもハンデキャップと思っていない、むしろ五体満足な人よりも積極的で、自分に厳しく、また、ユーモアをも持ち合わせた、優しい、立派な人物と感動してやまなかった。 ちょっとした人との出会い、初めてみる花、偶然つれた魚。 皆、何か縁があるのだろう。 そんな思い出の何枚かを載せてみました。
熱海梅園 この地の梅林の地主だった茂木惣五郎さんという人が皇室に寄贈。 庭園のなかには中山晋平先生の記念館もある。 シーズンには見事な梅が満開になるという。濃霧の中の恐ろしいドライブの後の、手製のアナゴ寿司の旨かったことと、よい散歩ができたこと。 ほっと一息を入れる。 |
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ハマナスの実 ハマナスの花は北海道が定番だが、箱根でも見れる。 大きな実がなっているのには驚いた。 男性的で、いかつい北海道のハマナスと違い内地のは優しい女性的な感じがした。 新しいピンクの絵の具で。 絵の具屋さんに”絵は色で描くのではなく、感じた心を描くのですよ”と説教された。 |
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石廊崎 その当時、人気の新婚旅行は南紀白浜がトップであった。 ハワイなど外国へ新婚旅行へ行くというのはごくまれ。 我らは熱海、南伊豆だった。しかし、この石廊崎には初めて。灯台まで、20分ほど山道を歩く。 たまたま、中を一般公開しており、灯台守の制服を借り、敬礼。 その日は天気がよく、遠く、三宅島、式根島などを望めた。 その昔、ペリーが来航した時は、このあたりはさぞ、大変だっただろうと思う。 |
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水村喜一郎画伯 いくつかの水彩画のひとつを模写した。 この歌に作者の気持ちが集約されてるのかと、感じた。 |
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白い十字架 星野富弘さんも、水村喜一郎さんもこのドクダミの花を”白い十字架”と言っている。 私はクリスチャンでも、仏教家でもないが、この花と汚い泥水の中で、綺麗な花を咲かせる蓮の花に何か共通点があると思っている。 箱根の道端で。 |
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魚釣り 20年ほど前、この場所で、”ゴンズイ”という毒魚に刺され、2日間熱を出した、いやな思い出がある。 久しぶりに釣りをしたが、釣果は鮫と、赤ベラと小さなふぐだった。 外道とはよく言ったもので、気持ち悪いのばかりつれた。 傷つけないよう、逃がしてあげたが、どうなったやら。 夕陽沈む館山にて。 |