展示会
趣味の少ない私が花の絵歌を描き始めたのは、今から12年前(20世紀末)になります。差し上げる人の好きな花の絵を描き、その人のお名前や、その時の気持ちを和歌や俳句に入れ込んで添えるようにしたのが始まりです。絵も歌も字もまるっきり素人、これまで全く縁がなく、3拍子揃って下手である。 取り柄は辛抱強いところか、休みに暇を見つけては描いて、2千枚近くになりました。今回、展示する作品は、2005年から5年間続けた花歌暦シリーズと今年の手作り花歌暦の中から花の絵歌を、また、家にあった置物・人形、いただいた野菜・果物・魚、身近な動物(ワンちゃん、ネコちゃん、鳥)、新聞記事などからの身近な話題、人物(愚妻:和羅漢・本人)、お地蔵さまを選びました。このたび、36連協文化部から展示会の機会をいただき心より感謝しております。これからも、いつも、この歌の心を忘れず、琴棋書画の中に、新しい何かを見つけ、元気に過ごしていきたく思っております。
花を愛で 絵歌描いて 酒に酔い 永遠に楽しむ 天恵一筆
2010年1月 永楽天花酔
展示品目 (115作品)
花歌暦(2005-2010)・カレンダー
干支寅、和羅漢・永楽天、野菜・果物、動物たち
小作品(カワセミ、仲良しワンニャン、置物・人形、花、母犬マリと3匹の赤ちゃん、お地蔵様)
展示期間 平成22年1月1日~31日
干支 寅
野菜・魚
ご近所の方や知人からいただいた野菜、果物、魚などを、食べる前にちょっと描いてみた。 その方の温かいお気持ちに感謝し、また、よく観察しながら描くと、魚たちの気持ちがわかるような気がした。
和羅漢・永楽天
絵歌を描き始めてから、しばらくして人物も描いた。 これは難しい、ちょっとでも、へたに描くと大変である。 今回、比較的、その支障の少ない愚妻:和羅漢と本人を展示してみた。
これまで描いてきた1500枚くらいの花の絵歌からどの花を選ぼうかと思案したが、2005年から2009年までの花歌暦に選んだのと、今年の手作りの花歌暦の花を展示することにした。
花歌暦
かたくちいわし 描く材料がなくなり冷蔵庫をのぞくと煮干があった。何でも描いてしまう貪欲さ。 |
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柳葉魚(ししゃも) ししゃもが描きたくて、近所のスーパ ーで買う。もちろん描いた後は酒の肴に。 |
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いなだ 近所の釣りの好きな方から釣りたてをいただく。お刺身でおいしく食べた。 |
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甘鯛 九州玄界灘の甘鯛。京都の西京味噌につけられて、千葉で食われる。ずいぶん遥かな旅 をしたものだ。 |
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むしかれい 千葉そごうで、その日は焼き物に、翌日は唐揚げに。唐揚げが一番おいしかった。 |
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毬栗 (いがぐり) |
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秋茄子 ”どんなものにも天地の恵みが与えられている。”100歳の現役日本画家だった小倉遊亀さんの言葉が忘れられない。 |
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お芋(サツマイモ、ジャガイモ) ご近所のYさんから掘りたてのお芋を沢山頂いた。ジャガイモはサラダに、サツマイモ は蒸かして。 温かく慈しみ恵み和わらぐ |
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ふじっ子 友人Tさんから信州の林檎を頂く。かの有名なセザンヌの林檎を思い出しながら描く。とびきり、瑞瑞しく、美味しかった。 |
小作品 (カワセミ、仲良しワンニャン、置物・人形、花、母犬マリと3匹の赤ちゃん、お地蔵様)
カワセミ 仲良しワンニャン 置物・人形
花 母犬マリと3匹の赤ちゃん お地蔵様
カワセミ (三島 柿田川にて)
カワセミ 南宋の憂国の詩人“陸遊”に「野人暦日無し 鳥啼いて四時を知る」という詩がある。サラリーマン生活を終え、もう明日からは曜日には関係なく、鳥のさえずりで目が覚め、季節時候を知る環境になったという詩であろうか。 なぜか、わが身に置き換えてみて、身に染み入る言葉である。 |
仲良しワンニャン
仲良しワンニャン ゴールデンリトリバー、アメリカンショートヘアのペア。 いつまでも仲良くいたいものだ。 新聞の広告より。 |
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(その後)元気にいこう。 |
置物・人形
和顔愛語 (弁慶) 笑顔と優しい言葉、是がなかなか難しい。成田山新勝寺境内にて。 今から36年前、長男の節句の時のもの。 |
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敬天愛人 (牛若丸) |
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ジーパンの少女 |
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夢見る乙女 |
母犬マリと3匹の赤ちゃん
ワン・ツー・スリー
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花(オクラ、冬コスモス)
オクラ(浮生夢一場) この世の中の出来事は千変の雲のようにめまぐるしい。人の一生など夢の一場面にすぎない。 金の文人画家(天徳3 1151)年-泰和2(1202)年) |
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冬コスモス(和而不流) 愚妻の友人Yさんからご自宅の庭で咲いた冬コスモスをいただいた。寒い冬に咲く可憐な花で、花言葉は“気品”。”和して流せず” 異論は唱えないが、流されることはない。 自分の考えは持っている。好きな言葉のひとつである。 |
お地蔵様
お地蔵様 |
動物たち
ワンちゃん、ネコちゃんをはじめ、いろいろな種類の動物たちも描いた。 そんな中で、印象の深いのを何枚か選んで展示した。
ポコちゃん(2か月) 平成元年1月、兄の家に5匹のヨークシャテリアの赤ちゃんが生まれた。そのうちの雌犬をもらった。毛並みのよい品のある美人でポコ(甫子)と名をつけた。 |
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妻の夢 競馬の騎士になった夢を見たそうだ。 早速、スポーツ紙の競馬のページの馬を見ながら描き、上に乗っけてみた。 |
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歩 “歩“という字を上と下に分解すれば、“止”まるに“少”し。今、止まって休んでいる牛は、やがて前にゆっくり少し進む。苦境の時は、止まって、ようく考え、少し、前に前進するんだ、という気持ちが大切か。 H20年末に決めたH21年の私の選んだ漢字一字。 |
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月の沙漠 童謡の好きな友人のMさんから“月の砂漠”を描いてほしいとの依頼があり、アラビヤには行ったことはないが、おそらくこのような月の世界だろうかと想像して描く。 ”金の鞍には銀の甕、銀の鞍には金の甕、二つの甕はそれぞれに結んでありました。。。”何気なく、口ずさんでいる歌詞に深い意味があるのだなぁ。是はMさんに気に入ってもらえたようである。 |
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絆つけ 戊辰戦争後の会津の地では冷たい、厳しい環境の中で、密かに”きずなつけ”という儀式があったそうだ。 お互いが裸身となり腹を合わせ、正座した母が3,4歳の我が子を抱くという。親子の絆は”血のつながり”ではなく”血の温もりだ”ということが書いてある。 志賀高原の地獄谷の母子猿を描いてるとき、まず、すぐに心に浮かんだのが、鈴木忠昭著「きずなつけ」であった。 |
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カモメ 観光船に乗り、オホーツクの海を鴎と一緒に散策。 岸壁に巣を作っている。 冬は暖かい国に飛んで行ってしまうのだろう。 |
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二人の世界 |
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チコちゃん(四時) 我が家のセキセイインコのチコちゃん。平成16年冬の地震時、我々のちょっとした油断が原因で外へ飛び去ってしまった。二人だけの痛恨の極みである。 |
老眼鏡 新聞を読む和羅漢。何を考えてるかは不明。 |
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耳順 この夏はどこへも行かず近所の緑化植物園に出かけた。槿がたくさん咲いていた。日に焼けるといって、日傘はいつも携帯してるようだ。 |
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エプロン チャイナドレスが似合うわけでも、ジーパンがかっこいいわけでもない。エプロンが一番、と 思う。 |
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母子草 |
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凡凡の中の非凡 毎日同じようなことを繰り返している。そんな中に非凡が見つかるかしらん? |
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ポコちゃんと 平成元年から14年間我が家の一員だったポコちゃん。 |
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偶成(朱熹)より。
朱熹
南宋の思想家。朱子学を築く。 (1130―1200) |
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運否天賦 人生は筍堀りみたいなもの。掘ってみなけりゃ分からない。運,不運は成り行きまかせ。平成11年夏 北陸出張 兼六園で昼寝。 |
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自画像 絵歌を描いてよかったことは、”なにか夢中になれるものがある”、”花や人との出会い”、”歌を作ることで、少ない脳みそを目一杯使う” などなど。 |
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面壁九年 達磨禅師は少林寺で壁に向かって座禅すること9年。 悟りを開いたという。 永楽天は1時間もじっと座ってられない。まだ、まだ、修業が足らないのか。 |