2009花歌暦
もう来年のことを考える季節になってしまった。今年も元気に過ごせ、2009年の花歌暦を作る機会に恵まれたことに感謝している。 ご笑覧ください。 (平成20年10月5日)
絵歌ができるまで (ごまめの歯軋り)
表紙 ハマナス
ハマナスといえば、知床旅情にも出てくる、北海道の花という印象が強かった。初めて、此の花に出会ったの は、5年前、箱根湿性花園だった。毎年のように、花歌暦の初夏を飾る候補であったが、どうしてか、実現しなかった。寒さ、風の強さ、そのような環境の中では、背丈も短く群生して、自身を保護しているのであろう、淡いピンクのやさしい、かわいらしい花だった。 大好きなハマナスで表紙を飾れた。
1月 カランコエ (大寒の朝)
窓越しにカランコエが冬の陽をたくさん浴びて、天に向かって、背伸びをしている。ソファに座って、日向ぼこして眺めてる。こんなのんびりした瞬間はいいものだ。
2月 胡蝶蘭 (一陽来福)
節分を迎え、これから春になる、いいことがあるように。“一陽来福 “藤田まこと主演のTV の必殺シリーズに出てくる自宅の玄関に飾ってあるのを偶然見かける。
3月 チュウリップ (而今)
あっという間に夫婦とも還暦を越えてしまった。 これまで、元気に来れたことに感謝。 近所の花の美術館で、珍しい、フリルのついたチュウリップに出会った。而今(今を生きる)
4月 そめいよしの (新しき心)
咲く桜、散る桜を見るとき、なにか、新しい方向、新しい考え方がうっすら見えてくるような気がしてならない。
5月 花柘榴 (一葉一心 一花一仏)
近所の家の庭に柘榴の木がある。酸っぱい大きな実はよく知っているが、花は見たことがなかった。 オレンジ色の甘酸っぱそうなかわいい花だった。 一つの葉に一つの心があり、一つの花には一つの仏がある。
6月 バラ(気散じ)
父の日には黄色いバラを贈る習慣があるそうだが、黄色は幸福の意味があるそうだ。黄色いハンカチ、黄色いリボン、近所の浜辺でスケッチ。
7月 ハクサンフウロ(小さき花)
今年の夏、車山に登った。 山頂には小さな花がたくさん風に舞って、我々を迎えてくれた。厳しい環境で、健気に咲いていた。まさに“疾風に勁草を知る“ ということか。
8月 ガーベラ (輝く太陽)
今から4年前、富士吉田の道の駅で手に入れた、茎の太いしっかりしたガーベラ。 暑い暑いといって、へこたれててはいけない。このエネルギッシュな花を見ていると。
9月 トルコキキョウ (凡凡)
花屋さんにいろいろな種類のトルコキキョウが並んでいた。一番ポピュラーな、可愛らしい花を買った。凡凡の中にこそ、非凡があるのでは。(歌:愚妻 和羅漢)
10月 竜胆 (虫の声)
”竜胆はやはり野に置け山に置け“というほど、宿根草だが翌年咲かせるのは難しいという。漢方に熊の胆(い)があるが、リンドウの根はもっと苦く、漢方としても利用されている。熊より強い竜の胆ということで、竜胆(りんどう)の名前がついた。鈴虫はりーんりーん、松虫はチンチロチンチロ、チンチロリンと鳴くそうだ。
11月 紫陽花 (生命の力)
近所のお友達にいただいた紫陽花、もう7年も経つが、毎年花を咲かせてくれている。秋も深まり、木枯らしが吹くころ、最後の力を振り絞って、紅葉して美しい姿を見せ,命の大切さ、力強さを教えてくれている。来年の梅雨時には、きれいな花を咲かせるだろう。
12月 山茶花 (凛として)
姫椿という珍しい品種で、木枯らしの中、気品を保ち、凛として、且つ、優しさを秘めているところがうらめしい。(歌:愚妻 和羅漢)