惜別
勸酒(かんしゅ) 于武陵(うぶりょう)
勸君金屆巵 君に勸(すす)む 金屈巵(きんくっし)
滿酌不須辭 滿酌辭するを須(もち)いず
花發多風雨 花發(ひら)けば風雨多し
人生足別離 人生別離足(た)る
作家の井伏鱒二訳(戯訳)
コノサカヅキヲウケテクレ
ドウゾナミナミツガシテオクレ
ハナニアラシノタトヘモアルゾ
「サヨナラ」ダケガ人生ダ
金屈巵とは黄金の杯のことで、中国では今でもこの詩を送別の席で、幾度も、皆で吟唱するそうだ。 今年も一年の半ばが過ぎようとしている。 会社では人事異動、真っ盛りの時期であろう。古詩に”人間の楽しみのうちで、新しい知己を得る程、楽しいことはない。人間の悲しみのうちで、生きながら相別れなければならないほど悲しいことはない” がある。 ”出逢いと別れ”、是まで、幾度となく、繰り返されてきたことではある。 絵歌を描き始めてから、お礼の記念に何枚か、下手な絵歌だが、その人にふさわしい、気持ちを差し上げてきた。 (平成19年6月30日)
白雲尽きる時なし 7年間、お世話になったAさんが、急に辞められた。 言い尽くせないお礼と感謝を込めて、小さな白い花アッツザクラを謹呈。 但去莫復問 白雲無盡時 王維(唐 南画の祖、五言古詩 送別) 但(た)だ去り復(ま)た問うこと莫(な)かれ 白雲は盡(つ)きる時無し これから一体、どこへいくのか、何のために行くのかそんなことを問うのはやめよう。ただ、行く先には白雲が尽きることなく、大空に漂っているだろう |
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新しき心 長年同じマンションの隣人の方が新しい海の見える駅前に引越しをされた。 もう桜は過ぎてしまったが、絵歌を描き始めた頃作ったこの歌が気に入っていたので、改めて、”そめいよしの”を描いてみた。 新しい環境で、新しい心が浮かびくるよう。 |