花と歌その52(霊山寺)

四国八十八ヵ所の第一番札所がこの霊山寺(りょうぜんじ)。 今日テレビの番組をみていると、五木寛之氏が巡礼され、放送されるとのこと。 今から、6年ほど前に描いた絵歌を思い出した。  今、昔の絵歌を見ていると、本当に絵も下手、字もだらしない。 私にしてみれば、いわゆる、絵歌を描こうという”発心の道場”の時であったのだろう。 是まで、石手寺、善通寺を御参りしたことがある。 是非、死ぬまでには全部巡礼をしたいものである。     平成17年2月12日

発心の道場

四国八十八ヵ所はそれぞれ4つの道場に分けられているという。発心の道場(阿波)、修業の道場(土佐)、菩提の道場(伊予)、涅槃の道場(讃岐)。 高徳線の坂東駅(駅前に貸し自転車屋さんしかない風情のあるところ)から、とぼとぼ歩くこと10分ほど。
大師さま

門前をくぐると池がある。 その側に、遍路の途中で命を落とされた人、名前も不明な戦没者、水子を抱く大師の像を見たときは思わず足が立ちすくんでしまったのを今でも覚えている。 
童子

池に浮かんでいる蓮(はちす)の葉の上の6人の童子が、ある一点を見つめ、合掌している。 其の先は大師様である。  側では幸せそうに錦鯉が泳いでいた。

授戒(十善戒)
不殺生(生き物を殺さない)、不偸盗 (盗まない)、不邪淫(邪淫しな い)、不妄語(偽りを言わな い)、不綺語(虚飾のことばを口 にしない)、不悪口(悪口をいわ ない)、不両舌(二枚舌を使わな い)不慳貧(むさぼらない)、不瞋恚(ふしんに:怒らない)、不邪見(不正な 考えを起さない)の誓いを たてること。 第一番札所でこの授戒を受けることが出来る。

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霊場昔話より。

竺和山(じくわざん)霊山寺:火災よけのお札

むかし、お寺の多宝塔を建立するのに、萩原村の小さな祠(ほこら)の横の欅(けやき)を伐採して作りました。 しかし、その木の根本に大きな穴を掘って生活していた狸一家が住んでいることは誰も知らなかったそうだ。 その後、村では火事が多くなり、ある夜のこと、村の人が狸が尻尾に火をつけて、家に火をつけているのを見たそうだ。 木を切られて、住みかを失った狸が怒って、火をつけたのだろう。 村人たちは住職に相談した。 祠の後ろに大きな穴を掘ってあげ、御大師様の火災よけの歌をお札にして、一軒一軒にそれを貼りおまつりをした。 その後ぴったり火事騒ぎがなくなったそうだ。