花と歌 その37(さくら)

今年もまた、桜の季節を迎える。 繰り返し、繰り返しながら、年をとっていくのだなあと、しみじみ感じるようになったのは歳の所為か。 去年も、一昨年も、あっという間に咲いて、あっという間に散ってしまったように記憶している。 先日”日本人と花見”というようなテーマだっただろうか。 テレビでこんな興味深いことを解説者が言っていた。 日本人の花見には大きな3つの特徴があるという。それは”群桜”、”飲食”、”群集”という。なるほど、と思いながらも、私は沢山の桜が無くても一本の木でもいい、一人でもいい、しんみり観賞したいと思っているが、今年はゆっくりと花見ができるだろうか。 桜が満開になる前に、描こう、描こうと思っているうち、関東地方で、開花宣言が出された。 小雨降る土曜日の朝、久しぶりに絵筆をとり、ソメイヨシノを描いてみた。



花には散った後の悲しみはない。 ただ一途に咲いた喜びだけが残るのだ。 真民詩集”念ずれば花開く”より

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