花と歌 その2
かねてより行きたいと思っていた。
朝早くに車で出発した。 大間々を過ぎ、渡良瀬川を見ながら、奥へ奥へと走らせ、青木湖を越え、やっと星野富弘美術館に到着した。
絵歌を始める前から、星野富弘さんの花の絵と詩が好きだった。 こんなにも、可愛らしく花を描き、感動する詩を読む人が世の中におられるんだということを。 私が絵歌を描くようになった、大きなきっかけは星野富弘さんの絵詩との出会いがあると思う。 絵歌を始めてしばらくして間もないころから、今も、星野富弘さんの絵詩を見ながら何枚か描いている。 そのいくつかを並べてみました。
「あなたのてのひら」 (花の詩画集) ねこじゃらし より ・・・・・・・・・・ ねこじゃらし、坊主頭、縁側の日差し、G先生。 いつも変わらない私の連想ゲーム。 |
「銀の雫」 がくあじさい より 結婚指輪はいらない。・・・・・ ・・・朝陽の中であなたが洗面器から水をすくってくれている指先から金よりも銀よりも美しい雫がおちている。 |
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「ぺんぺん草」 ばら より 淡い花は母の色をしている。弱さと悲しみが混じり合った温かな母の色をしている。 |
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「ぺんぺん草」 つばき より ひとつの花のために、いくつの葉が冬を越したのだろう。冬の風に磨かれた椿の葉が輝いている。母のように輝いている。 |
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「日々草」 どくだみ より おまえを大切に摘んでゆく人がいた。臭いといわれ,きらわれ者・・・・・・いつかおまえを必要とする人が現れるのを待っていたかのように。おまえの花、白い十字架に似ていた。 |
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「ぺんぺん草」 菊 より 母の手は菊の花に似ている。硬くにぎりしめそれでいてやわらかな、母の手は菊の花に似ている。 亡き母を想うこの夏。 |
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「あなたのてのひら」 (花の詩画集) たんぽぽ より 数知れない草花が、私の足下で工夫を凝らして、一生懸命生きている。 |
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「ぺんぺん草」 みょうが より ・・・・・かあちゃん みょうがを食うとばかになるというけれど、おれは思い出すことばっかりです。 |