具体的な設置方法

「災害避難時の(天井の高い)体育館等の屋内保温対策」


準備物

ビニールシート
 透明が望ましい。広い方が加工の手間も省け、シートとロープの量も少なくてすむが(シートは重なり部分が少なくなるので)、ロープの強度や垂れ下がりの問題や扱いやすさを考えると1m幅くらい?
ロープ
 垂れ下がりを防ぐために伸びにくいもので、シートを保持するだけの強度のあるもの
ガムテープ
 透明なほうが照明を遮らなくていいのでは

シートの加工

 透明の体育館の横幅の長さのビニールシート(垂れ下がることを考えて少し長めにする方がいいもしれない)とそれよりも少し長いロープを図1のように加工します。ガムテープで貼れば大丈夫ではないかと思っていますが断定はできません。図2はその断面図です。

 ビニールシートは両側にそれぞれ2〜3m余分を持たせ、それはロープと固定しないようにすれば、隙間を防ぐのに利用することもできるでしょう。

 加工には体育館のフロアが広く使えばいいのですが、最低シート1枚分のスペースを空けてもらえれば一つずつでも加工できるかと思います。それが無理な場合は校舎の廊下を利用することも考えられます。

  

  図1

  

  図2

全体図

 それを体育館壁面の通路の手すりを利用して図3のように体育館全面に張るのです。

  

  図3

シートの張り方

 張り方は、体育館の端から1枚目のシートのAのロープをできるだけピンと伸ばして手すりに結びます。次に1枚目と2枚目のシートが重なる間隔で、2枚目のシートのAのロープを同じように張ります。

 そして、1枚目のシートのBのロープを、2枚目のシートのAのロープを越して、シートとシートが密着するように(張りすぎないようにすればいいと思う)して、Bのロープを結びます。

 あとは同じようにすべてのシートを張るのですが、先に間隔を測っておけば、すべてのシートを同時に張ることができると思います。

 図4がシートを重ねた時の断面図です。

 シートを貼る場合はシートを下にいる人に落とさないように、4人1組となり結ぶために余らせてある4本のロープを1本ずつ持ちます。そしてBのロープを確実に仮結びをするか、Aのロープを結ぶ時はBのロープの担当の人がしっかり持っているようにします。

 垂れ下がらないように強くピンと張るためには、横に引っ張るのではなく手すりを利用して下に引っ張る方がうまくいきそうです。トラックの荷台の荷物を縛る方法だと強く引っ張れると思います。

図4

シートの加工

 手すりと通路の床面との隙間は手すりに別のシートをかけることで塞ぐことができるはずです。

 またステージがある場合など、そちらの側もシートを縦に垂らすことで塞ぐことができるのではないでしょうか。

温度調節

 暑くなってきたら、図5のようにBのロープをゆるめて、Aのロープに近づけると温度調節もできると思います(それまでに仮設住宅などに移れることを願ってはいますが)。

                

               図5

垂れ下がりへの対策

シートの中央が垂れ下がってくるようであれば、バスケットのゴールなどを利用して、体育館の縦方向にロープを張って上から吊るようにして支えるか、バレーボールの支柱などを利用して下から支えるなどの方法も取れるのではないでしょうか。

換気の問題

 ストーブ等で暖房する場合の換気の問題も考えないといけません。シートが大きく垂れ下がらないとすればシートまでの高さは3mくらいは確保できるはずです。学校の教室の高さは3mくらいですのでほぼ同じと考えられます。教室などでの換気と同じように窓の開閉で対応できるのではないでしょうか。ただし、広さが違いますので、広い体育館の全面がきちんと換気できるかがしんぱいではあります。

今後への備え

 もしこの方法が有効であれば、今後の災害への備えとして、シートとロープとガムテープを体育館に備えておけば、避難したその日からでも寒さへの対応ができる方法だと考えます。

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