先月、Fさんという方から次のようなメールをいただきました。Fさんの了解を得ることができたので、そのまま掲載します。
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Googleの検索で、此方の2005年の呟き、鬼門じゃなくて恵方でしょ。が上位にヒットしていたので拝見しました。
大阪北摂に住んでいます。
我が家には恵方巻きが流行る前から、節分に太巻きを食べる習慣があり、鬼門を向いて食べていました。
少なくとも私が記憶している二十数年前からは、ですが。
太巻きは鬼の金棒に見立てており、こっちにきたら金棒を食べてしまうぞ、という脅しの為、鬼のいる鬼門を向いて食べると教わりました。
食べてる途中に喋ったり、太巻きを切ったりすると、金棒じゃないのがばれるのでいけないと教わりました。
職場でも、恵方巻きしか知らない人ばかりでしたので、お話しを読んだときは嬉しかったです。
鬼門を向く風習もあると知っていただきたくてメールしました。
2005年のつぶやきなので、もう既にご存知だったらごめんなさい。
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このメールを読んで鬼門を向いて食べる意味にとても納得しました。
それでインターネットで検索してみたのですが、このような習慣に関する記述を見つけることができませんでした。 その後のFさんのメールにも「こういった地域的な風俗を知っている人の多くが、インターネットに馴染みのない人なせいか、本当に記述がないですね。」と書かれていました。
ごく限られた地域だけの習慣なのかもしれませんが、少なくともFさんの家族と親戚には伝わっている習慣だそうです。
「鬼門じゃなくて恵方でしょ」 <2005年2月1日>書いたときは、もちろんこのような習慣があることは知りませんでした。
あのときの番組では「私の家では鬼門を向いて食べる」というのではなく、恵方巻きが話題に出たときに「どこかを向いて食べるらしい」「そうだ、鬼門だ、鬼門を向いて食べるのだ」という流れだと受け取れました。それであのような書き方をしたのです。
例えばウナギのかば焼きは関東と関西で、背から開くか腹から開くかや蒸すか蒸さないかの違いがあることはよく聞きます。
これだけの大きな違いでなくても、地方によって習慣の違うことは多くあります。もっと言えば家ごとに習慣の違いがあります。
それを自分の経験や聞きかじった知識だけで「日本のかば焼きはウナギを腹から開いて、一度蒸してからたれを付けて焼いています。」というように、一括り(ひとくくり)に思い込んではいけないと常々気をつけています。
それなのに「鬼門を向いて食べることがあるはずない」と、思い込んでいました。
もうすぐホワイトデーです。節分の太巻きだけでなくバレンタインデーやハロウィン等々、今の私たちは商戦の渦に弄ばれているように思うことがあります。 それぞれの習慣の違いを大事にしながら、それに巻き込まれることなく、渦と上手に付き合うことが必要なのかもしれませんね。