「梅雨明けしたとみられる」との気象庁の発表を聞いてから急に暑くなりました。節電のためにできるだけクーラーを使わずに扇風機ですごそうとは思いますが、熱中症の予防も大事です。
それで一定の温度を超したらクーラーをつけようと決めました。温度計付きの時計を3つの部屋に置いてあるので、それを見て決めます。
おじさんがいつもいる2階のパソコン室は1階の部屋よりは温度が高めです。おまけにパソコンから暖かい空気が出ているので余計暑くなるようです。
もちろんクーラーを使わないときは窓も、隣の部屋との境の戸も開け放しています。あるとき両方の部屋の温度を見て何となく試してみたくなりました。
両方の時計を並べてみたのです。型は違いますが、どちらも温度と湿度を表示しています。しばらく置いておくと何と、温度も湿度も同じにならないのです。
温度は0.9度も差があります。どちらが正しいのか分かりませんがとにかく同じではないのです。それでもう1台も持ってきて3台を並べました。
どちらが正しいのかを判断する方法がないので、多数決で決めようということです。同じ値になった2台の方が正しいことになるだろうと思いました。
ところが何と、3台目も違う値を表示するのです。写真では左から順に、28.8度、28.2度、27.9度となっています。
全くどれを信じていいのか分かりません。ひょっとしてらどれも正しくないのかもしれないと思えるのです。
その時に「ひょっとしたら」と思ったことがありました。1台だけならその時計の不具合と考えられるけれども3台全てが違うということは精度の問題かもしれないと。
それで説明書を見てみると「±2度」と書かれているのです。ということは3台とも誤差の範囲内になるのでしょう。そこでまた他の温度計の精度はどうなのかが気になってホームセンターと電気店で調べてみました。
ホームセンターにはかなりの種類がありました。しかしほとんどの製品が「±2度」です。中には「±5度」というのもありました。その中で「±1度」という製品を1つだけ見つけました。それが最高の精度でした。
インターネットでも調べてみましたが、一般の家庭用の温度計としては「±2度」が普通で、たまに「±1度」のものがあるというのが現状のようです。
デジタルの場合はどれも0.1度単位で表示されています。そのために温度計は正確だと勝手に思い込んでいたのです。確かに取扱説明書には精度が書かれていましたが、見ていませんでした。
日本気象学会の「熱中症予防指針」では
31度以上 危険
28〜31度 厳重警戒
26〜28度 警戒
25度未満 注意
とあり、「エアコンの感温部はリモコンについていることが多く、在室者まわりの気温が冷房設定温度と一致するとは限らない。人間は環境に長くいると感覚的に慣れてしまうこともある。自分の感覚だけに頼らずに、部屋に温度計を置いて、今の温度が何度であるかをこまめにチェックすることが必要である。」とも書かれています。
例えば2度低く表示される温度計で28度と表示されているとします。「エアコンの設定温度は28度以下に」という呼びかけをよく耳にします。それで「28度だからクーラーは我慢しよう」と思ったとします。しかし実際は30度、厳重警戒の範囲なのです。
これは極端な例かもしれませんが、1度の誤差でも結構影響があると思います。温度計が正しいと思い込むのは危険ではないでしょうか。
おじさんのように温度計の精度を意識していない人は結構いると思います。そうだとしたら、温度計には結構大きな誤差があるということをアピールすることも熱中症予防には大事なことではないかと思いました。