ホールのドアが開かない

2007年7月20日

最近、演奏会を聴きに行って気になることがあります。演奏会が終わって帰るときに、出口で行列になることです。高知で一番大きい1500席のオレンジホール(高知県立県民文化ホール)を例に取ると、玄関部分には両側に開くドアが4つあるので、最大8枚のドアを開くことができます。でもほとんどは1箇所の2枚だけ、多くても2箇所4枚しか開いてないのです。

もし火災などがあって満員の観客が一斉に1箇所しか開いてないドアに殺到したら大混乱になるでしょう。

「その時は残りのドアを開けたらいいじゃないか」と思うかもしれませんが、多分残りのドアは施錠されたままだと思います。しかも施錠に気がついても、そのままでは解錠できない仕組みなのです。

オレンジホールだけでなく勤務地の公民館などでもそうなのですが、玄関がガラスのドアの場合、サムターン(ドアの内側から施錠解錠のできるつまみのことだと思って書いています)がなく、鍵穴にキーを差し込まないと施錠解錠ができないのです(全てのガラスのドアがそうなのかは知りませんが、ドアとドアの間に隙間があるのでサムターン回しができないようにそうしているのでしょうか)

その上、オレンジホールの場合にはそれぞれのドアの上下に錠があり、上の錠は1m70pくらいの人でないと届きません。また下の錠は地面から数pの位置にあるので、かがみ込まないといけません。緊急時に、しかも慌てていたらかなり時間がかかるでしょう。

それでもキーがすぐにあればいいのですが、おじさんの経験ではキーを探さないといけないことがよくありました。玄関だけでなく楽屋も含めその日に使う全てのキーを一まとめにしていると施錠解錠のたびにその場所に持って行くことになります。

施錠解錠をよくするのが楽屋だとすると楽屋に置いてあることが多くなります。緊急時に遠くの楽屋までキーを探しに行っていたのでは間に合いませんよね。その事を知っているだけに、もしもの時を考えると恐ろしくなります。

そういうおじさんも実は自分自身がそのような状況を作ってきていたのです。吹奏楽コンクール等の行事に主催者の立場で運営に関わってきたのですが、使わないドアを解錠しておくと勝手に入られても困るし、解錠して最後にまた施錠するのも手間なので、必要なドアしか解錠していなかったのです。

先日、コンクール運営についての役員会で危機管理上の問題を説明し、これからはキーを受け取った時点で玄関の全てのドアを解錠しておくようにお願いしました。また、ホールの運営について意見を言える場があったので、キーを貸し出す際に全てのドアを解錠するよう主催者に言ってもらうようなお願いもしました。

高知では南海地震への備えがテレビラジオを始め多くの場で言われています。普段は問題にならなくても緊急時には大きな障害となることが、このドアの件以外にも沢山あると思います。日頃からそのような意識を持ち、労を惜しまず緊急時への備えをしなければと思います。

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