意外な組み合わせ

2006年12月20日

ある日のこと、夕食のテーブルに冷奴がありました。我が家では夕食に普通の冷奴が出ることはあまりなかったので、よく見てみるとかなり豆腐が小さくて、ネギが異様に多いのです。でも、見かけは冷奴なのです。

食べてみるとやはりだまされていました。豆腐ではなくてクリームチーズだったのです。クリームチーズにたっぷりのネギとしょうがと削り節をかけるという意外な組み合わせですが、これがなかなかいけるのです。

そのまま食べてもおいしいのですが、醤油をかけるとなお味わいが深くなりました。「これは使える」と思わず言ってしまいました。

使えるというのは、「ご招待」のメニューのことです。おばさんは普段の食事に「NHK きょうの料理」などを参考に色々と新しい料理を作ってくれます。作ってみるとイメージと違っていて、「これはちょっと」という料理もあるのですが、「これはいい」という料理もあります。そんなときに「これは使える」となるのです。

「ご招待」のメンバーによってメニューを考えるのですが、同じものは出さないことにしているので何度も来ている人、しかも別々の機会に何度か来ている人が一緒になったときは大変です。これはAさんには出してないけどBさんには出している。これはその逆などというように、出せない料理が多くなるからです。でもこの「クリームチーズやっこ」は初めてだから誰に出してもいいので、この次のご招待に使おうということになりました。

しばらくしてその機会がありました。男性1名と女性2名におじさんとおばさんの5名です。ところがこのうちの女性の一人はネギと納豆が嫌いだったのです。いつもは嫌いなものを聞いておいて、食べやすいように形を変えて勧めます(世間では、「だまして食べさせる」とも言うようです)。そうすると結構「これなら食べられる」と言ってくれるのです。

そんな話もしていたので、その女性が相当怖じ気づいていました。そこで今回は嫌いなものを勧めるのはやめようということにしました。でもチーズ奴は出すと決めていたので、メニューには、「○○さんごめん」と書き、そのまま残してもらうつもりで出しました。

ところが食べたのです。ネギも残さずに全部。うどんのネギも歯で止めて出してしまうという女性が、です。嫌いと思っている物でも、組み合わせや味つけ、それにその場の雰囲気でおいしく食べられるのでしょうか。

チーズもネギも好きだけど、そんな組み合わせはちょっと、という人も是非試してみてください。結構はまると思います。お酒にも良く合いますし。

意外な組み合わせというと、つい最近まで知らなかったのですが、ブルーチーズに蜂蜜をつけると、あのブルーチーズが食べやすくなるのです。食べやすくなると言っても、蜂蜜でブルーチーズの味を消すのではなく、両方が一緒になることでまた違った新しい味が生まれるという感じです。

「クリームチーズやっこ」は、「NHK きょうの料理」の2004年11月号でグッチ裕三が紹介しています。是非試してみませんか。

← 前    目次    TOP    次 →